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2016年8月13日土曜日

Ki-Mo-Chi-i-i

Ki-Mo-Chi-i-i


 今年の夏はRioが熱いらしい・・・と、いう事で読んでみた一冊。
 ・・・・・・
 えっと、まぁ、官能小説です。
 ここの日記の読者は、意外と女性も多いようなんだけど、いいのか!?
 Rioオリンピックだからいいのだ。

 企画モノ官能小説。
 AV女優が執筆し、自作を朗読するCDが付いているというモノ。
 
 作家と同じ名前の女性が主人公で、様々な設定の中で紡がれる性の物語。
濡れ場メインながら、主人公の置かれた状況を的確に描写し、また濡れ場につなぐ。
 完璧な構成です。
 素人に書けるとも思えない。
 設定・状況、流れなどを口頭記述で吹き込んで、それをゴーストライターが、手直しするという形でまとめ上げたのかなと推測。
 作者が女優で、且つ、ちゃんと読める官能小説に仕上がっている。
 5人の女優が、5つの話を描いているわけだけど、設定が被らないように配意されていたり(多いんだ企画モノで似たような話が入っていること)ちゃんとしている。
 AV女優モノではあるが、作品中に写真やイラストなどの挿絵は一切ない。
 あくまでも、文章と音声で勝負している姿は潔い。
 ・・・・・・
 女性の描いた官能小説であり、女性ならではの展開もあるにはあるが、女性向けというよりは、やっぱり「男の人ってこういうのが好きなんでしょ?」って感じな印象。

 朗読は、全編ではなく山場の1シーンを抜粋した形。
 若干のアレンジは無くも無いが、基本自作を読むだけ。
 女優として、セリフの部分は演技する人もいれば、国語の授業で教科書を読まされる生徒の如く全部棒読みの人もいる。
 これも演出なのか・・・まぁ、女優の個性の部分も大きいだろうね。
 句読点を意識しない読みは、そこで切ったら意味が解りにくいのに・・・というような場面も・・・。
 ・・・・・・自分で書いた文章なら、そこで切らないだろうな・・・とか。
 企画意図は面白い。
 個人的には、棒読みの方がシュールで面白かった。
 「〇〇〇!」と男は叫んだ・・・と、全部淡々と読まれても…。
 国語の授業で教科書を読む中学生な感じなのに、読んでいる内容が官能小説というシュールさ。
 背徳感が増す感じ。

 読書メーターに登録しているからね、エッチな小説読んで内緒にしていてもまとめでバレルシネ。

 

2016年3月2日水曜日

建築士・音無薫子の設計ノート 謎あり物件、リノベーションします。

建築士・音無薫子の設計ノート 謎あり物件、リノベーションします。
逢上央士
宝島社文庫
★★★☆☆


 一芸に秀でた若き天才肌の女性が、新人男性を助手にこき使いながら、その道の指導をしつつ世の中の謎を解いていく物語が、沢山ある。
 当たった設定だから、右へ倣えで出るは出るは。
 や。いいのです。もう、そういうジャンルだと思えば。
 ひとりの作家が、ハイペースで書き続けても、その出版ペースには限度がある。
 いろんな作家が、色んなモチーフで、同じ立ち位置の探偵小説をハイペースで書きまわってくれれば、読者は次を待つことなく、貪欲に次々読むことができるので幸せなのである。
 ・・・やりすぎると飽きられる危険性は秘めているけれど・・・まぁわたしは飽きないけれど、世間が飽きたら出版ペースが落ちるだろうから悲しいな。

 この作品の舞台は建築士。
 天才肌の若き女性建築家と、研修生として採用された大学生が、真に客の意図に沿ったリフォーム・リノベーションを施す物語。
 探偵小説の文法を採っているため、一見客のオーダーを無視しているかのような滅茶苦茶な施工を強行するんだけれど、地道な聞き込みや調査から、客の本当の声を聞き取り、丸く収まる流れの話が詰まった連作短編。
 
 個人的に「ん?」と思った部分も無くはないけれど、まぁこの手のジャンルにハズレなし(今の所)。
 
☆三つ以上の良かった点☆
・一芸に秀でた若き天才肌の女性が、新人男性を助手にこき使いながら、その道の指導をしつつ世の中の謎を解いていくジャンル。
・建築業界。
・間取り図。

☆猿山式キャッチコピー☆

 建築家が暴く本心。

2016年2月26日金曜日

時の果てのフェブラリー ―赤方偏移世界―

時の果てのフェブラリー ―赤方偏移世界―
山本弘
徳間デュアル文庫
★★★★★

 2016年2月の旅行先へ向かう新幹線内で読み始め読了した一冊。
 面白いのはわかっていたのです。
 初出のスニーカー文庫版(1990年)を現役で読んでいて、当時はライトノベルなんて言葉は無かったけど、それ系文庫は山ほど本でいて、そんな安易な作品ばかり読んでいた時に、ポンと飛び込んできた緻密なハードSFに充てられた気分だった。
 ハードSFではあるけれど、ライトノベルレーベルで出されるぐらいに噛み砕いて解りやすく解説される科学事象は読みやすく、「本当のSF」の入門として完璧な立ち位置の本だと実感したのね。
 それが、時を経て2001年。別の出版社から、加筆修正版が出た・・・のがこの本。

 本屋で見つけて、おお!!!ってなって即購入したんだけれど…。
 当時から、積読状態の本は読了本よりはるかに多く、順番的にはすでに一度読んでいる面白いことが分かっている本は後回しになっちゃうわけで・・・。
 しかも、タイトルに「フェブラリー」なんて入っていると、折角なので2月に読もう!なんて考えてしまい、気付くと2月が過ぎ・・・なんてのを何年も積み重ねようやく2月に思い出して今年読破。
 あ。
 舞台設定が2013年だったのか…もっと早く気づいていれば、無理にでも3年前に読んだのに!

 地球上に出現した謎の重力異常地帯スポット。
 何かしらの意図をもって出現したと思われるが、何者のどんな意図で出現したのか全く不明。
 事象を記号化することなく理解することができる少女が、その謎の存在の意図を探るためにスポットに潜入する。
 重力がヘンテコリンになると、どんなことが起こるのか。
 科学的根拠のある異常気象描写。
 この異常地帯から空を見た場合、光線の具合などから何色に見えるのかなど。
 ちゃんとした科学の描写が痺れる。
 まぁいつものように内容は詳しく書かない。
 読みやすいハードSFなんて、そうないからそれだけで素晴らしい一冊なんだ。

 この加筆修正版から10年以上。
 最初の本から20年以上が経っている。
 スニーカー文庫版のあとがきの時点で、続編のタイトルが決まっていて、予告が成されていた、「宇宙の中心のウェンズデイ」がまだ出ていないのが悲しい未来。
 まぁあれか、出版時代から十数年後を舞台にした作品を描くと仮定した場合。
 主人公のウェンズデイが主人公年齢の12~13歳になる、今年辺り発表されるのかもしれない。
 水曜日ならね、毎週来るから、買った後積んでおく期間も短くて済みそうなんだけどね。

☆好きな描写
 少女の秘密を指で乱暴に探りはじめた。
☆三つ以上の良かった点☆
・読みやすいハードSF。
・ごめんなさい、パパ。私、悪い子だわ・・・・・・
・続編への期待。

☆猿山式キャッチコピー☆

 克明に描く不思議描写。

2016年1月21日木曜日

坂東蛍子、日常に飽き飽き

坂東蛍子、日常に飽き飽き
神西亜樹
新潮文庫nex

★☆☆☆☆

 大人向けジュブナイルが流行っている。
 大した根拠のない個人的推測ではあるが・・・。
 『ビブリア古書堂の事件手帖』のヒットに乗っかって、色んな出版社が、大人をターゲットにしたライトノベルレーベルを立ち上げて行った感じか。
 活字離れが叫ばれる半面、スマホ族も増えている。
 スマホに表示されるのは文章であり、活字だ。
 今の大人も、「字を読む」ことは嫌いではないのだ。
 ただ、読みやすい本を知らないだけで。
 ライトノベルは読みやすい。
 ライトノベルは子供(中高生)向けだ。
 じゃあ、大人向けの読みやすいレーベルを立ち上げればよくね?
 そんな感じかなぁ。
 ・・・で、当たったのが『ビブリア古書堂の事件手帖』、日常の謎系のミステリである。
 似た毛色の作品がわっとあふれた昨今。
 一ジャンルに秀でた女性探偵と、駆け出しの男性ワトソン役のコンビで、謎を解くスタイル。
 この辺りの設定は、変に弄らない方が面白い。
 オンリーワンにも、ナンバーワンにも成れないかもしれないが、もっともっと大切な、安定した面白さを発揮するシリーズになりえるのだ。
 ここのところ、ハズレなくそれ系を引いてこれたので、この本もそんなつもりで購入。

>その女子高生、名は坂東蛍子。
>容姿端麗、学業優秀、運動万能ながら、
>道を歩けば事件に当たる
>疾風怒濤の主人公である。

 タイトルから、あおりから、あらすじまで、なんとなくそれ系を彷彿させるように感じた。
 第1話のはじまりも、如何にもミステリな感じでスタートする。
 ・・・
 まさか、不条理SFとは思いもしなかった。
 最初から不条理SFのつもりで読めば少しは感想も違ったかもしれないが・・・。
 や。不条理SFとしても・・・。
 いらない描写も多いし、投げっぱなしで全然生きていない伏線っぽい文章もそこここにあるし。
 うーん、うーん、うーん。
 
 ネット小説を再構築して文芸に落とし込んだ作品らしい。
 再構築にあたって、もっと「文芸」寄りに調整すれば面白くなった気がしなくもない。
 まぁね、ネット小説として既に人気がある文体を、完全に別のモノにしてしまったら、この作家が書く意味も無くなってしまうわけで、匙加減も難しいのだろうけどね。
 ・・・まぁ、なら、もっと不条理SFだってわかる売り方すればいいのに!

 あーでもあれか。
 舞城王太郎とかいるからな。
 今は、これもミステリの一ジャンルだと言い張られれば、否定するのもメンドクサイ。

 こっち系の小説も嫌いじゃないんだけどね、嫌いじゃないだけに、もっとうまく表現できたんじゃないかと残念に思う。
 続編もたくさん出ているようなんだけど、わたしは・・・もういいや。

 ・・・ネットで感想を追いかけると、面白いように真っ二つ。
 大絶賛と、全否定。
 ただ、まぁ当然、この本をミステリと間違えて買ってしまった私のような人は少ないらしく、意見は見当たらない。
 SFとして、ライトノベル風文体そのものを・・・賛否両論。

 様々な要素が、一つに収束する系の話・・・のように見せかけられているだけの気配も感じる感じ。
 ご都合全開の展開も、もうひと工夫あれば、面白くなったと思うのになぁ。
 何かの仕掛けがあると思って最後まで読んで、ただのご都合だった感想。
 例によって、具体的には何の紹介もしていないが、雰囲気は伝えられたと思うんだけれど、どうでしょう。


 しゃべって動くぬいぐるみや、実体に干渉できる幽霊なんかが、登場するお話。


☆三つ以上の良かった点☆
・破天荒な主人公的な割に実は全然地味で活躍しない主人公なギャップ。
・巧いことまとまっているようで、ご都合の塊のような絶妙なバランス。
・日常ミステリのようで、不条理SFという意外性。

☆猿山式キャッチコピー☆
 坂東蛍子のなんでもない日常。

2015年10月16日金曜日

クローバー・レイン

クローバー・レイン 
大崎梢
ポプラ文庫

 読書感想日記★★★☆☆
 
 書店員や出版社営業員のミステリに定評のある大崎梢が、編集者を主人公に据えた一冊。
 本屋・出版系のミステリなら間違いがない人。

 読み方によっては、傑作にも駄作にも読み取れてしまいそう。

 主人公は、老舗出版社に勤めるベテランではあるが、配置換えで編集者になってからはようやく仕事をこなせるようになったぐらいの人。
 偶然、落ち目の作家の、「読めば絶対に感動できる作品」に出会った。
 どうしても、自分の手で本にしたい・・・!
 そんな物語。
 ・・・
 老舗出版社だから、確実に売れる作品しか本にしない。
 そこになんとか風穴を開けて、出版にこぎつけたとしても・・・。
 確実に売れる本しか、熱を入れて営業しない。

 そんな社風と戦う・・・と言うと、ある意味社会派なのかな。
 でも、この前提の「読めば確実に感動できる作品」ってのが受け入れられるかがポイントかな。
 受け入れられれば、傑作。
 受け入れられなければ、そんな作品あるわけないだろ?ってしらけちゃうのかな。

 どんな作品だって好き嫌いがあり、確実なものはないんだけれど、この小説の場合、この前提があってこそかなと思わないでもない。
 「読めば確実に感動できる作品」であっても、読まれなければ何万冊もの本の中の一冊として埋もれていくだけになる。
 出版界、読書家であればある程、落ち目の作家が落ち目であることを知ってしまっているわけで。
 わざわざ時間を割いて、落ち目の作家の本を読むぐらいなら、旬の作家の作品を優先してしまう。

 如何にするか。


 そんな作品・・・でもあり、その陰に散りばめられた、人物背景を読ませる部分もあるドラマ。
 
 出版界の世界が垣間見られるのも、本好きをくすぐる要素。
 作家を志す人へ、出版っていうのは、作家志望者が思っているほど、作家の自由にはならないって部分まで。
 小説は、芸術作品であると同時に、商品でもあるわけで。
 どんなに素晴らしくても、売れそうにないもの労力は避けない。
 売れそうもない完成品も・・・。

 まぁ、アレだ。
 タイトルからどんな内容かさっぱりわからない・・・そんな人に、出版界は編集者が主人公だよって部分が伝われば、大崎梢ファンには伝わるかな。
 それ以外の人には…熱血編集者が、老舗出版社で社風に合わない作品を如何に捌いていくかという物語ってな紹介ぐらいがいいのかな。
 程々に気に入った一冊。

2015年10月10日土曜日

本屋さんのアンソロジー 

 このブログのタイトルは「猿山リムの散歩とゲームと読書と映画の旅。」。
 自分の好きなモノをダーと並べたタイトル。
 散歩もゲームも映画も旅も好きで、今までもそれらにまつわる内容を書いてきた。
 読書も勿論好きなんだけど、これらに比べると、極端に書いている割合が低い。
 ・・・これは、読書している割合が低いんじゃなくて・・・。
 写真をいれられないからね。
 旅・散歩やゲームは、写真を貼れるし、映画はユーチューブのトレーラーを貼れる。
 でも本は、表紙を勝手に引っぺがすのもアレだし。
 通販サイトと結託してリンク張れれば、儲けも出るのかもしれないけれどあまりしたくない。
 散歩の途中に、本+風景の写真を撮ろうなんて考えていたこともあるんだけれど、これが意外と手間で。
 撮影に手間取っているうちに、読了本も積まれていっている現状。
 まぁ、(ほとんど)誰も読んでいないブログ。
 写真は後回しにして、感想だけでもあげて行ってしまおう!と、思うようになり・・・。
 いざ、書いてみる感想は、読書好きのためのアンソロジー。
 マクラが長かったな・・・。

本屋さんのアンソロジー 
大崎梢リクエスト!
光文社文庫

 ミステリのアンソロジー。
 特徴的な作品を書く作家がテーマを掲げ、そのテーマに沿った短編を集めた企画もの。
 書店員や出版社営業員のミステリに定評のある大崎梢が「本屋さん」をテーマに掲げた一冊。
 とはいえ、この人が10本書くわけではないし、書店ミステリの第一人者として、作家を指導アドバイスして書かれているわけでもないので、勿論全部が書店ミステリとして面白い保証はない。
 テーマは「本屋さん」だけだしね、同じような内容が続かないように、色んなアプローチが詰まっている。
 言い方を変えれば、大崎梢ばりの書店ミステリを期待しているのに、ほんわか青春小説とかも混ざっていたりするわけよね。

 参加作家。
 有栖川有栖 坂木司 門井慶喜 乾ルカ 吉野万理子 誉田哲也 大崎梢 似鳥鶏 宮下奈都 飛鳥井千砂 
 登場順

 有栖川有栖 坂木司 あたりは、安定の書店ミステリで掴んでくるわけですね。
 書店ミステリーでまとめるのかなと思って読んでいると、謎は提示されるけれど、ミステリの手法では解決されない青春小説が入り込んできたりする。
 謎は提示されるけれど、ミステリの手法で解決されない、ファンタジーとか。
 『書店ミステリー』という縛りは、キツイものではなく、謎さえ提示されれば、その解法は作家得意の方法にゆだねられているということなのでしょう。
 ・・・
 そして、そんなアンソロジーは、好きなタイプの作品は面白く読むのだけれど・・・嫌いなタイプの作品を読むのが苦行になりがちなんだよね。
 ああ、なんで本格ベースのアンソロジーに社会派入れるかなぁ。
 あれ?これ、ミステリじゃなくて、青春人情ドラマじゃん。
 イラッと来るけど、その作品が嫌いなタイプであっても、その次の作品が好きなタイプかも知れない・・・から読まざる得ない。
 ・・・ただ、このアンソロジーは、テーマがいい。
 読書家であれば、大抵気になる「本屋さん事情」。
 本屋が舞台で、客として足しげく通う場所が物語の舞台。
 自分のテリトリーが描かれた作品群。
 好きではない作風の小説であっても、面白く読めてしまう。
 あ、ミステリじゃなかったのか・・・まぁこれはこれでアリかな。
 そんな意味で、全編通して大きなハズレが無かったのは収穫。

 こんなアンソロジーなので、振り幅が大きい。
 ネットで感想を追いかけると・・・
 この作品が好き、この作品はよくない・・・。
 これが割とバラバラなのね。
 ミステリ好きな読者にヒットする作品。
 日常の謎になじみがない層は、かえって謎解き要素が薄い作品を好む気配。
 全編にわたってハズレが無かったという、わたしと同じ意見の方も多い。
 反面、お題に縛られて作家の良さが発揮できていなく、全編歪な印象だ…系の意見も少なくない。
 彼らは、「本屋さん」への愛着を抑えて純粋に「作品」として読破したのでしょう。
 わたしも、好きなテーマという上げ底色眼鏡を外すと、ここまで手放しで絶賛できない部分があるのは事実。
 でも、テーマアンソロジーなんだから、テーマの上げ底はあっていい気もするんだよね。
 や、まぁ・・・このアンソロジーそのものは好きなんだけど・・・
 アンソロジーって、チェックしていなかった作家の作品を読んで、この話面白いからこの人の本を買って読んでみよう!ってな出会いの部分もあるかと思うんだけど…。
 このアンソロジーに限って言えば、この作品は割と好きだけど、本屋じゃないこのジャンルを一冊読みたいって程でもないかなぁ・・・って思ってしまった。
 もちろん、元々好きな作家の本はこれからも買うけれど。
 ・・・
 本屋さんが好きな、読書家の皆さんへおすすめ。
 古本屋でも、図書館図書室でもなく、書店舞台に拘ったアンソロジー。
 や、まぁ古本も好きだけどね。

 

 このリクエストアンソロジーは、ぽぽぽんと出版されていて、和菓子やペットのアンソロジーもあるそうだ。
 うーん、面白かったけど・・・和菓子やペットに「本屋さん」ほどの思い入れが無いからなぁ。
 評判はいいので、いつか機会があったら読んでみたいかな。

43-4

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2015年3月1日日曜日

誘う森

誘う森
吉永南央
創元推理文庫

 アマゾンがススメてくる「萩を揺らす雨」は、ピンとこなかった。
 古本屋を物色した時、なんとなく手に取りあらすじを読んで、ピンときた。
 これは面白そうだということで、この作者は「当たり」に違いないと、見当をつけ他に何かないかなと、手に取ったうちの一冊。
 気に入った「萩を揺らす雨」は、まだ読んでいないけど、何故かこちらを先に読んだ。
 特に理由はない。
 未読の本棚から、予備知識のない、面白いかどうかも分からない、未知の一冊を抜き出した感じ。
 読書家にありがちな事ではあるが、興味を持った本はとりあえず買っておき、積んである本から、今読みたい本を探す。

 妻の死を受け入れられないショックで不眠症に陥った主人公。
 会社の長期休暇制度を利用し、療養を兼ね、妻の死を見つめ直す。
 捜査モノ。
 調べていくと、おかしなことに気付く。
 そして、それをさらに調べていくと…。
 最初に見えていた姿から、どんどん形を変える、妻の死の真相。
 そんなタイプの長編ミステリ。

 「酒蔵の町」で町興しをすすめる小さな町。
 その老舗酒蔵である実家を手伝いながら、自殺の名所である森で自殺防止のボランティアをしていた妻。
 この町も、地図こそ載っていないものの、森があり町があり、そこは地元の人にどのように呼ばれているか…など、細かな設定が作られ、しっかり伝えられ、安心出来る。
 細かな地理の把握は、完璧に頭に入れなくても、困らないので、そういう設定を覚えながら読むのが苦手な人でも大丈夫。

 全編通して、暗い雰囲気を持つ小説。
 暗いけど、中学生みたいな視点で語ると、色っぽいシーンあり。
 不自然に思える部分もあるにはあった・・・けど、作品の中にいろいろ取材した跡がうかがえるので、この「不自然」はわたしの認識が足りないせいで、実際にもあった事柄なのでしょう。

 普通に面白かった。
 特別膝を打って喜んじゃうほどではないけど、イラッと来るほど悪くも無い。
 推理小説を読み始めたころに出会っていれば、おお!と唸って膝を打っていたかもしれない。
 そんな、スタンダードに面白かった一冊。

 内容についてほとんど語っていないけど、ちゃんとしたミステリであればある程、何を書いてもネタバレにつながるので、何も書けない。
 捜査モノ

ISBN978-4-488-42211-0