2019年4月2日火曜日

2019年3月の読書メーター ~本と旅する~

 月初め恒例手ぬぃっき。
 読書メーター編。
 昨日はエイプリルフール企画で、敢えて嘘の見本のような嘘じゃない話だったので二日だけど読書編。
 特に縛りなしではあるが、ライト枠の新刊の積まれ勢いが半端なく、このローテーション作戦が厳しく感じる今日この頃。
 発売日より前に変えてラッキーと思った本が数ヵ月読めてないとか勿体なさ過ぎる。
 巧いこと考えるより、ペースを上げるのが一番いい作戦なのも分かるんだどもね。

 今月は11冊。
 読書加速のためのプチ電車旅を含む。
 ライト枠多めな印象だったけど、振り返ると半々ぐらいなのかしら。

2019年3月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3570ページ
ナイス数:55ナイス

https://bookmeter.com/users/682213/summary/monthly
■屋上の名探偵 (創元推理文庫)
 文庫派で且つシリーズ物は1から読みたい性質なので、著者の文庫の1冊目から読んだのだが、既刊があるようだ。
 まぁ創元推理文庫ではこの本からのスタートと解釈しておく。
 いい意味で人間の書けていない本格ミステリ。
 主人公が姉ラブなのも、ありえないほど徹底的に聞き込み調査するのも、パズルのピースを確定するのに必要だから。
 学園ミステリでこのトリックはどうなのという思いもなくもないけど、ミステリとして面白いからいいのだ。
 作中言及される「QED証明終了」って何だろう?マンガじゃないようなんだけど・・・。
読了日:03月05日 著者:市川 哲也
https://bookmeter.com/books/11273377

■恋愛撲滅隊コイスル (ファミ通文庫)
 「知識チートVS時間ループ」が面白かったが続きが出ないので著者の既刊を遡ってみた一冊。
 繁殖するのに必要ではない「レンアイ」は宇宙からやってきて人類に寄生する悪しき存在である。
 人類としての尊厳と正しい判断力を取り戻すために恋愛を撲滅する。
 恋愛を原動力に進学する高校を決め初手で玉砕した不運の権化の主人公が彼女たちに出会い展開するアンチラブコメ。
 突き詰めれば、愛は欲に通じるので捨て去るべき煩悩であるとする本来の仏教の思想に行きつくのではないか。
 でも突き詰められてはおらず、とても惜しい一冊。
読了日:03月07日 著者:葛西 伸哉
https://bookmeter.com/books/481274

■空手バカ異世界 (ファンタジア文庫)
 表紙を見て「眉毛が両方あるじゃないか!」と思ってしまったから購入。
 『空手バカ一代』というタイトルを知っているか否かでも評価が分かれそうだけどね。
 スポーツ空手に満足できない空手バカが異世界に飛ばされる。
 異界転生ものの定番「チート能力」をスパッと断り、己の肉体ひとつで剣と魔法とモンスターの世界を渡り歩く。
 ヒロイックファンタジーとしての冒険者モノ小説の要素も濃く素敵。
 当然のようにバトルシーンも多く怪物や西洋鎧の騎士たちとの筋の通った戦闘も素晴らしい。
 今後片眉を剃る話も出てくるのだろう。
読了日:03月11日 著者:輝井 永澄
https://bookmeter.com/books/13530888

■玩具店の英雄: 座間味くんの推理 (光文社文庫)
 紀伊国屋書店(推定)から徒歩5~10分圏にドーナツ状に酒とつまみの美味しい店があるようだ。
 座間味くんものの3冊目。
 口の端に上る程度に以前の事件も語られるので既刊を読んでからの方がより良いぐらいな感じ。
 酒の席で解決済みの事件の話をして、座間味くんが警察の気付かなかった視点から感想を伝える(真相を看破する)流れ。
 そういう話だと思って読むから、座間味くんが反応するだろうポイントは読んでいて見当がついちゃう部分はある。
 自分もその席にいるつもりで一緒に議論をするような気分で読むのが一番と思う。
読了日:03月11日 著者:石持 浅海
https://bookmeter.com/books/9345228

■QJKJQ (講談社文庫)

 ※ネタバレを含むため割愛 詳細は読者メーターを参照してください※

 モヤっとしたままで少なくてもミステリ的ではない。
読了日:03月11日 著者:佐藤 究
https://bookmeter.com/books/13103261

■朽ちる散る落ちる (講談社文庫)
 「地球儀のスライス」収録の短編から始まる様々な伏線がドンと主張し始める巻。
 このシリーズはミステリとしての謎もちゃんとしていて、この謎をいかにして暴くかというミステリの手法でも面白くなると思うのに、謎は提示されて解かれるのみ。
 人物の配置を楽しむ方に比重が置かれている気がする。
 そしてその複雑で立ち位置的にも心理的にも入り混じった人物たちの描写は、保呂草が再現している部分も面白い。
 祖父江の林に対する想いも保呂草が想像して補って書かれていると思うとまた別の面白さも味わえる。
読了日:03月19日 著者:森 博嗣
https://bookmeter.com/books/567060

■ジャナ研の憂鬱な事件簿 (2) (ガガガ文庫)
 米澤穂信の「小市民」「古典部」両シリーズを足して3で割ったようなシリーズ。
 「耳なし芳一の夜」は高田崇文的読み解き要素も。
 レーベルのミステリ枠が空いているので、推理物を書くよう依頼された作家がにわか仕込みで形に仕上げたような印象の作品。
 トリック的には、ミステリファンの素人が頑張って仕上げた「習作」ぐらいと思う。
 それを作家のセンスでライトノベルに落とし込んでいるような感じを受ける。

 ※ネタバレを含むため割愛 詳細は読者メーターを参照してください※

読了日:03月21日 著者:酒井田 寛太郎
https://bookmeter.com/books/12308669

■超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! 7 ドラマCD付き限定特装版 (GA文庫)
 発売当時書店を探したんだけれど買えなかった特装版が手に入ったので8巻への復習を兼ねて再読。
 改めて読みはしたけれど、感想は通常版で書いているので敢えてドラマCDの感想を。
 著者自ら脚本を担当したオリジナルストーリーらしい。
 割と序盤、異界の民の信用を得るのに「マヨネーズ」を利用していたころのサイドストーリー。
 外伝とかの短編に書かれるような話をドラマ化。
 コミカルなネタを、バカになり過ぎないバランスで構成しているのは本職の脚本よりいいかもしれない。
 台詞では難しい突っ込みも小気味よく、安定。
読了日:03月23日 著者:海空 りく
https://bookmeter.com/books/12705992

■超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!  8 (GA文庫)
 8巻故基本構造は省略。
 色々伏線が開示され最終章に突入するらしい。
 アニメ化も決定され、まぁアニメの最終話と原作小説の最終巻をかぶせる作戦なのかしらと邪推。
 最終章なだけで、次巻完結とも言ってられないから、あと数冊は楽しませてくれるかもしれないけど。
 ただ、本編の完結がアニメの人気に左右されるようなことにはなってほしくないかなぁ・・・と、根拠のない心配をしている。
 内容は、シリーズ序盤から期待していた超人vs超人の構図に収まって、ここからが本番という感じで、知恵比べ合戦が楽しみです。
読了日:03月24日 著者:海空りく
https://bookmeter.com/books/13567863

■名探偵の証明 (創元推理文庫)
 創元推理文庫的には蜜柑シリーズの二冊目。
 こんなべたなタイトルがよく残っていたなという感想と、こんなべたなタイトル良くつけたなという感想がたってしまうほど、恥ずかしいほど本格ストライクなタイトルに惹かれる。
 名探偵の名探偵ぶりを印象付けるために、これでもかと小さなネタの解決編を詰め込んでくる。
 ウルトラマンがスペシウム光線撃つシーンだを編集したかの如く、水戸黄門の印籠シーンの総まとめの如く。
 それら全てが伏線で短編連作的に一つの解決に結びつくぐらいの解決を期待をしちゃうタイトルだったのよね。
読了日:03月29日 著者:市川 哲也
https://bookmeter.com/books/12449440

■マイダスタッチ: ~内閣府超常経済犯罪対策課~ (ガガガ文庫)
 「マイダス王」は一般的には「ミダス(ミダース)王」のこと。
 触れた物を黄金に変える異能を持つ王という象徴。
 異能もの。この異能が必ずお金にまつわる超能力という縛りがあるため「マイダスタッチ」。
 お金絡みの異能犯罪者vsお金絡みの異能取締官の対決。
 この経済超能力という設定が緻密綿密に計算され世界観を作り上げられていれば、パズル的に機能したと思うが、割とざっくりした超能力をベースに真面目な話がのっかっているのがつらい所。
 もっと全面コメディを押し立ててコテコテにドタバタすれば素直に楽しめたかな。
読了日:03月29日 著者:ますもと たくや
https://bookmeter.com/books/11060290


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 4月は「嘘」月間。
 嘘や詐欺師物中心に回す予定。
 ぷち旅行へは回数行けそうでもあるので、数は稼げるかな。
 計画倒れの予感もしなくもないけれど。

 3月はライトノベル枠も一般文芸枠も、ミステリ多めに行けたかな。
 名探偵の蜜柑シリーズも2冊。
 「QJKJQ」はペース配分を間違え旅先で読む本が無くなり現地調達した一冊。
 何でもかんでも買っていると、旅先で買う羽目になったときに買うものが無くなってしまうので、適度に残しとかないと危険なのよね。
 ノコシテイテモツマレユクホンノナントオオイコトデショウ