月初め恒例手ぬぃっき。
読書メーター編。
9月は特にテーマ無し。
新刊が積まれまくって、強いて言うなら新刊月間。
8月9月と贔屓のシリーズの続巻が出まくり+面白そうな新作もちらほらり。
勿論、古本で昔の面白そうな本も買い漁りつつの新刊購入。
積む本の整理も追いつかない。
倉庫へ積んだら、当分(十年単位で)読む機会無いだろうしなぁ…。
特に旅行ぷち旅も多く無かった割に数は稼げた12冊。
2018年9月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3949ページ
ナイス数:54ナイス
https://bookmeter.com/users/682213/summary/monthly
■石井ぜんじを右に! ~元ゲーメスト編集長コラム集~
無敵のアーケードゲーム誌ゲーメストの元編集長のコラム集。
分厚い本に細かい字がびっしり詰まっている。
アーケードゲームやアーケードゲーム業界に対する「論」が詰まっている。
ゲームを趣味にしている者、アーケードゲームになじみの深い読者なら、一つ一つ実に染み渡るコラムが詰まる。
一つ一つ本当に濃厚なコラムなので、正直一気に読むのはつらい。
もともと雑誌などに寄せたコラムを一冊にまとめたものなので、ひと月に1コラムペースで読むのにちょうどいいぐらいの密度な印象。
時間をかけてじっくり読みたい一冊。
読了日:09月01日 著者:石井 ぜんじ
https://bookmeter.com/books/9127490
■閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット (講談社タイガ)
ナンバリングはないが3冊目。
この本単体でも楽しめる。
死後閻魔様の裁きを受けるが、なんのかんので生き返りをかけて自分の死に纏わる謎を10分で解く流になる。
ある意味全編「読者への挑戦」付きの短編集。
刊行ペースが速すぎる割に、クオリティは維持。
この冬に早くも4冊目が予定されているらしい。
閻魔役の娘、沙羅が毎回甦る死者に説教する。
わたし基本、説教臭い本が大っ嫌いなんだけど、この沙羅の説教は、説教の部分まで含めて構成の一部として活きているので、面白く読める。
投げっぱなさない説教。
読了日:09月05日 著者:木元 哉多
https://bookmeter.com/books/13053596
■算額タイムトンネル 2 (講談社タイガ)
「2」ではあるが、前巻を思いっきり引っ張っているので、ここから読んでも限りなく意味が解らないと思われる。
今巻では「タイムトンネル」の謎を探る話になる。
当然のように、数学も和算も置いてけぼり。
過去のフランスじゃなんじゃない、多分書いている方はとても楽しかっただろうが、この作品に「数学」絡みの謎解きを期待した読者は戸惑うばかり。
時空の謎も、数学で解き明かせば(それがトンデモ出鱈目机上論であっても)作品として完成した気もするんだけどね。
期待値が高すぎた部分もあったかもしれないがやや残念。
読了日:09月06日 著者:向井 湘吾
https://bookmeter.com/books/13028905
■今夜はパラシュート博物館へ THE LAST DIVE TO PARACHUTE MUSEUM (講談社文庫)
高難易度のトリックを構築し、その解法を開陳することで読者に与える感動と、伏せていた登場人物の裏設定を公開するだけで読者に与える感動が同等であるならば、後者を採用した方がエネルギー消費は少量で済む。そういう事だ。
文体を真似たつもりだけどうまく行ってない気がするな。
短編集。
S&Mシリーズ・Vシリーズ。+オリジナル。
キャラクター小説としての作品のファンへ向け、その背景を語るための口実としてのミステリな立ち位置な印象。
ベテラン推理作家の短編を期待すると肩透かし。
故にシリーズファン向け。
読了日:09月12日 著者:森 博嗣
https://bookmeter.com/books/567058
■公園で高校生達が遊ぶだけ (講談社ラノベ文庫)
まぁぶっちゃけ部室や生徒会室で論じるだけのタイプのライトノベルを公園に置き換えただけの作品。
ただ、部室や生徒会室のクローズドな世界と違い、オープンフィールドで展開される分、やっていることは同じなのに与える印象をがらりと変えてくる、発明というか実用新案というかともかく安定した斬新さはある。
長めの掌編ぐらいの話が詰まった一冊。
一編一編謎が提示され解き明かされる。
解き明かしきれなかった謎も、別の話で明かされ、一冊読み終わると、色々謎も解けてスッキリ。
投げっ放さない伏線回収が纏まりを醸し○。
読了日:09月12日 著者:園生 凪
https://bookmeter.com/books/13087261
■火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)
長編版の「事件カルテ」ではあるが、短編連作風な構成もアリ。
今回のテーマは「陰陽師の呪い」と「人体発火現象」。
トンデモ好きの方には人体発火の共通点に「パイプ」があることは有名なんだけど、それを匂わす表紙なのかしら。
陰陽師はもうちっこっと「呪(しゅ)」に拘って欲しかったけれど、医療系のこのシリーズでは畑違いか。
ドタバタした中、レギュラーがいい塩梅に役割をこなしていく、いいシリーズ。
医療の比重の濃淡もあれど、ミステリの驚きは変わらず。
知の鷹央と力の小鳥遊のタカタカペアの大捜査。
読了日:09月19日 著者:知念 実希人
https://bookmeter.com/books/13074129
■はたらく魔王さま!SP2 (電撃文庫)
時間軸そのものを遡る系の外伝シリーズな気がするSPの2巻。
特にSP1の続編というわけではない。
アニメ盤の特典の2.8巻(2巻と3巻の間の3巻寄り)の文庫化という立ち位置らしい。
アニメと原作のクライマックスを調節するような大人の事情で現在の文庫化なのかしらアニメ観てないからわからんけど。
短編連作的に各キャラクターを主人公にした短編が、ほかの話を引っ張りつつ展開される。
このスタイルを採る外伝作は珍しいかも。
全編「日常」寄りなのも好感。
そして日常の敵「G」と悪魔と女子高生。
読了日:09月21日 著者:和ヶ原 聡司
https://bookmeter.com/books/13030266
■クズと天使の二周目生活 (3) (ガガガ文庫)
3巻。
本編でも基本的設定をサラリとしか説明していないぐらいには既刊既読前提なのかもしれない。
前巻までは、この設定を活かし、天使を巻き込んだドタバタ展開がメインだった。
『恋愛禁止のラブコメディ』
たらればノートなるチートアイテムがあったとしてもクズの「たられば」は二周目人生において役に立たない。
成長した主人公は普通にモテる。
でも恋愛したら最悪存在が消える。
そんな恋愛小説寄りになって面白さ増して○。
ラジオ制作の流れもリアルで面白い。
いい企画駄目企画。
駄目企画の駄目出し。
読了日:09月23日 著者:天津 向
https://bookmeter.com/books/13029558
■パンドラの鳥籠: 毒草師 (新潮文庫)
出版社を跨いで展開されるQEDのスピンオフ的な毒草師シリーズの3冊目。
新潮文庫では1冊目だけど、レギュラーメンバーなど前巻を引っ張る部分もあるのでシリーズ順推奨。
「パンドラの匣」と「浦島太郎の玉手箱」を対比させつつ、その他もろもろの伝説伝承を取り込み、日本の歴史と照らし合わせ、ついでに現実の事件の真相へも辿り着く、まぁいつもの構成。
世の中の伝説伝承神話歴史をパーツに見立ててのパズル的楽しさがある。
こうに解説されると、それが真実のように読めてくる。
そこへ毒や薬の蘊蓄も加わり、無敵。
読了日:09月24日 著者:高田 崇史
https://bookmeter.com/books/9851029
■ゲームの話をしよう〈第3集〉 (ファミ通Books)
再読。
タイトル通りゲーム雑誌編集者が様々な人とゲームの話をするだけの本。
ゲームクリエイターと雑談すればゲームの裏話が聞けたりはするけれど、そんな話は別のゲーム記事にも載る可能性があるわけで。
この企画の一番面白い部分は、普通の人とゲームの話をしたり、ゲーム畑じゃない作家などとゲームの話をしたりする部分。
ゲーム好きなら、自分も一緒に雑談に参加さている気分で読める珠玉の対談集。
今現在ゲーム好きでない読者が、ゲーム入門ぐらいのつもりで読み始めると、ちょっと理解できない部分もあるかもしれない。
読了日:09月28日 著者:永田 泰大
https://bookmeter.com/books/436709
■わんでいりぴーと! (講談社ラノベ文庫)
タイトル通りタイムリープ物。
しかし「死」が引き金ではないタイムループは割と珍しいのかもしれない。
学校一の美女に告白し玉砕した主人公が謎のタイムループに陥る。
検証の末、ヒロインの好感度アップがループから抜けるポイントと推測し、ひたすら繰り返される一日の中で、恋愛系ゲームでコマンド総当たりをするかの如く、試行錯誤していく。
「タイムループ」「恋愛コメディ」割と普通な要素を足し、ちょっと違った「タイムループ」にちょっと変わった性質を持つ「ヒロイン」という味付けでオリジナリティを放っている。
読了日:09月29日 著者:川田 戯曲
https://bookmeter.com/books/13087265
■人魚と金魚鉢 (創元推理文庫)
聴き屋2巻。
今巻は殺人事件の出てこないミステリ短編。
設定的にこの路線の方が○。
前巻の話題も出はするけれど、この本から読んでも平気なレベル。
や。本編の面白さは間違いないので敢えて語らず。
この作品の在り得ないヒロイン「先輩」の魅力が素晴らしすぎる。
多分ヒロインという立ち位置でいいはずなんだけど、不細工じゃないし綺麗な顔立ちらしいのに容姿を褒められることもなく、子供も泣き出す恐ろしさ。
怖いのに気弱で存在感がない。
こんな人が身近にいたら…多分気付かずに過ごしてしまうんだろうなぁ。
読了日:09月29日 著者:市井 豊
https://bookmeter.com/books/12593221
▼読書メーター
https://bookmeter.com/
テーマはないとしながら、ライト枠は微妙に時間ものが固まった感じ。
9月中に読み終えられなかった今読んでいるのも時間ものだし。
いしいぜんじは、発売すぐぐらいには買って、少しずつ少しずつ読んだもの。
トイレに置いて、時間をかけて読了。
ひとつひとつはとてもいいこと書いてあるんだけど、連続して読むには濃すぎるコラム故。
「ゲームの話をしよう」もトイレ本ではあるが、読みやすいのでペースは速かった。
このまま「魂の叫び」に繋げたいんだけど…どこへしまったかな。
シリーズもの系では「聴き屋」の2巻が出たのは嬉しい(文庫で、文庫派なので)。
しかも、日常の謎に完全シフトしてその役どころがしっかり落ち着いてきたのも。
この在り得ないヒロイン「先輩」のある意味「存在感」が凄い。
古今東西、ミステリのヒロインがバトルロイヤルで殺し合ったら、最後に生きているのはこの人なんだろうなと。
10月も積まれっぱなしの新刊が、新刊と呼べるうちに読みたいところなんだけど…。
旅行の予定もあり、「旅」テーマの小説を読もうと考えていたところへ、面白い組み合わせの読書も思いつく。
さてさて、何をどう言う順番で読もうかな。
しあわせな悩みだ。