2018年4月3日火曜日

2018年3月の読書メーター ~そして人魚へ至る~

 月初め恒例てぬぃっき。
 読書メーター編。

 普段ペースに戻る宣言しつつも、11冊は多い方かしら。
 特別テーマ無く、いつもの法則で読み進める。

 ネット古書店にて購入した「戻り川心中 」の目次に落書きがあったのが残念。
 こんな残念なエピソードがあっても、本の内容に関係ないわけで、文字制限のある読者メーターの感想欄には書き込めない。
 普段の日記一日分かけて報告するほどの事でもないし。
 微妙な感じなので、ここで披露して憂さ晴らし。
 基本ホンへの記入は絶対嫌派なのよね。
 参考書への書き込みも嫌なぐらい。
 ただ、どうしてもゲームの攻略本とかには、印がついているのがあるよなぁ。
 ・・・
 ネット古書店ではないけれど、実際店舗の投げ売りジャンク品の場合は、落書きある前提なので致し方ない。
 なんかね、ドラゴンボールのある一コマだけ、ピッコロが眼鏡をかけていたり、その落書きのバカっぷりを楽しめることがないこともない。
 普通の古書価格で買った古書は、駄目落書きゼッタイ。

2018年3月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3919ページ
ナイス数:35ナイス

https://bookmeter.com/users/682213/summary/monthly
■婚活島戦記 (宝島社文庫)
 折込か巻末の広告でタイトルを知り、バカな作品もあるものだと興味を持ちアマゾンで検索したら、何故か定価を上回るプレミア付きばかりが出品されていて驚いた(現在は普通の価格のもある)。
 別の店で普通の値段の物を探し読了。
 バトルロワイアルの婚活版。
 命のやり取りこそないものの孤島内でサバイバルを生き延びた一人が富豪との結婚にありつける。
 内容も半端にバトルロワイアルに寄せているので唐突に参加者の背景を語りだしたりまとまりに欠く。
 ミステリ要素は、ほぼ無い。
 意外にコメディではなくシリアス路線。
読了日:03月01日 著者:柊 サナカ
https://bookmeter.com/books/6997677

■最強のブラック公務員田中とヴァンパイアキャットの姫君 (Novel 0)
 「キジン」なる妖の者の存在する世界観を簡潔に読者に伝え、物語の舞台設定を最初にわかりやすく説明した手腕は流石はゲームデザイナーといった所。
 そんな世界観で、人間とキジンの妥協点を探るべく話し合いの場を設けるために交渉をする交渉課のエージェントが主人公の田中。
 キジンの代表であるヴァンパイアキャットがまぁヒロイン枠といった所か。
 日々の過酷なハードワークにより、キジン以上の人外スペックを持った田中は、交渉より腕力で殆どの仕事を進めているように読めてしまうのが残念。
 全編交渉に重きを置いてあったら…
読了日:03月02日 著者:縹けいか
https://bookmeter.com/books/12639256

■ログイン!ゲーマー女子のMMOトリップ日記 (レジーナ文庫 レジーナブックス)
 ゲームの中に入ってしまう系の少女小説。
 多くのライトノベルでは異界転生ものとなるかと思うが、少女小説界では「トリップ」と呼ぶようだ。
 MMOのソロプレイでレベルMAXな社会人女性が、ゲームの中のキャラと人格交換という形でゲーム(に限りなく近い異界)へ入り込む。
 大体この手のゲームに入る系は、チートスキルで無双するのが定番ではあるけれど、ゲームのキャラは存在そのものがチート級という解釈が新鮮に読めた。
 レベル最高だしね。
 ゲーム世界に少女小説の王道的恋物語を乗っけて、ベタながらいい塩梅。 
読了日:03月07日 著者:草野 瀬津璃
https://bookmeter.com/books/12625009

■地球儀のスライス A SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE (講談社文庫)
 森博嗣は講談社文庫を刊行順に読んでいるので、S&Mシリーズの後「工作室」の後の読了。
 ここの感想を読むと次のシリーズのスピンオフ的な作品も収録されていたようだ。
 ここから始まるシリーズなのかもしれないが、ミステリィ工作室の時点でこの作品の解説が載っていたので…。
 こういうことが無いように刊行順に読んでいるのになぁ。
 短編集。
 ミステリとしてうなってしまうほど面白いものから、ミステリ要素の希薄な別ジャンルの作品まで幅広く。
 S&Mシリーズの個性を前面に出した日常系ミステリも座りがよく素敵。
読了日:03月10日 著者:森 博嗣
https://bookmeter.com/books/564921

■俺氏、異世界学園で『女子トイレの神』になる。 (電撃文庫)
 映画「チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室」みたいな感じかなと手に取る。
 日本が様々な異界と繋がって平和活動のため異界の留学生を集めた学校を作ってそれが「異世界学園」。
 何の因果かそこの女子トイレに間違って神として召喚された主人公が、女性との悩みを聞きアドバイスで解決していく流れ。
 問題提起と解決のシステムがはっきりしているので、安定したミステリ然と読めなくもない。
 男性の著者ゆえ作品の為に女子トイレの取材が出来なかったらしい。男性社会人は割と女子トイレに入る機会あるのよね、見回りとかで。
読了日:03月15日 著者:周防ツカサ
https://bookmeter.com/books/10201187

■戻り川心中 (ハルキ文庫―連城三紀彦傑作推理コレクション)
 職場の読書仲間に薦められ連城三紀彦を手に取る。
 他より収録作の多いハルキ文庫版。
 明治大正昭和初期辺りを舞台に濃厚なミステリが描かれる。
 「花」をテーマにした世相を活かした男女絡みミステリ。
 見立て有りどんでん返しあり、しっかりした謎が提示されそれが解き明かされる流れあり、文句のつけようのないミステリ短編集ではあるが、何故か膝を叩いては喜べなかった。
 古い文体の割には読みやすく、特別嫌な描写もないのに、好きになれなかったのよね。
 特別な捜査も推理も希薄で聞き込みメインなのが味気なかったかな。
読了日:03月15日 著者:連城 三紀彦
https://bookmeter.com/books/578523

■カンナ 鎌倉の血陣 (講談社文庫)
 歴史の謎と殺人事件をいっぺんに解決するいつものスタイル。
 鎌倉の謎を紐解く。
 シリーズが微妙に混ざり込むので、刊行順に「QED」「毒草師」なども読了しておくとより一層楽しめる。
 シリーズ安定して面白い、考える歴史もの。
 今作特別興味を引いたのは解説。
 普段解説はあまり読まないのよね。
 解説者の視点での作品解説にどれほどの意味があるのか微妙な部分もアリ。
 ただこの作品の解説は解説者視点の解説じゃないから意味がある。
 解説者が著者にインタビューしてそれが掲載されているから。
 あまりない形。
読了日:03月19日 著者:高田 崇史
https://bookmeter.com/books/7222736

■解体諸因 (講談社文庫)
 バラバラ殺人に特化した短編。
 バラバラ殺人を様々な角度から検討し、なぜ死体は解体されたのかを、当たり前の文法から敢えて外して考察するミステリ。
 あとがきで、著者自ら「ギャグ」と評しているぐらい、常識破りの過程を踏むものもなくもないかもしれないが、本筋は完璧ミステリ。
 ライト感覚な「ギャグ」ではなく、あまりにバラバラ死体ばかりで、現実味がないという意味合いでのギャグ。
 バラバラテーマではあるが、残酷描写は薄く、あくまでも死体はパズルのモチーフ感覚。
 中にはぬいぐるみや写真の解体まで含む変化球も。
読了日:03月23日 著者:西澤 保彦
https://bookmeter.com/books/545212

■出会ってひと突きで絶頂除霊! 2 (ガガガ文庫)
 バカに擬態した良作。
 怪異を除霊する異能を持つ退魔師の学校を舞台にしたソレ系ライトノベル。
 チート級だけどちょっとエッチすぎる故に濫用し難い能力者が、ちょっとエッチな怪異を解決する流れ。
 通常の(?)の怪異事件を異能で解決する作品の事件にお色気要素を足しておバカに寄せたコメディ。
 ベースがしっかりしているので、バカやお色気だけで乗り切っている凡百のコレ系と比べるべくもなく面白い。
 若干ご都合っぽい展開も見えなくもないけど、それについても設定がありそうだし。
 言いたくないけど「普通」に面白い。
読了日:03月26日 著者:赤城 大空
https://bookmeter.com/books/12689711

■心臓と左手―座間味くんの推理 (光文社文庫)
 この著者には珍しいシリーズもの。
 『月の扉』の探偵役を担った青年と警察官が、ちょいとお酒を共にする肴に、解決した事件の話をし、その話の中から違和感を汲み取った青年が、安楽椅子探偵然と推理を構築し、真相らしきものを看破する構成の短編。
 前作は直接関係ない話が多いが、シリーズものではあるので触っておいた方がいいぐらい。
 酒の席で、旨いものを食べながら話すというコンセプトで、話本編と全然関係ない所で、いちいち旨そうで腹が減る。
 そういえば、この著者は酒の席ミステリをほかにも書いてたなと。
読了日:03月27日 著者:石持 浅海
https://bookmeter.com/books/564578

■人魚は空に還る (創元推理文庫)
 今月人魚映画を沢山観たので締めで、人魚の小説を持ってきた。
 以前「人魚」物小説を買い漁ったときに新作で購入して読み損ね積んでいたもの。
 明治を舞台に雑誌記者とイケメン絵師が事件の謎を解く短編ミステリ。
 ライトノベルのような構造ではあるが、そこは創元推理文庫時代的な部分も含めしっかりしていて安心して読める。
 「うさぎ投機」とか検索してみて、本当にあったエピソードなんだと勉強にもなった。
 ただミステリとしては、特別飛躍した推理が展開されるでも、緻密な捜査が行われるでもなし、味気なかったかも。
読了日:03月31日 著者:三木 笙子
https://bookmeter.com/books/4141342


▼読書メーター
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>婚活島戦記
 一時期本当にアマゾンにプレミア価格物しかなくて、驚いた一冊。
 何があったんだろう。
 内容は、バトルロワイアルの婚活版の一言なんだけどね。

>人魚は空に還る
 映画の方を「人魚映画」にしたので、しいて言えばここだけ人魚縛り。
 明治を舞台にしたミステリ風。
 人魚小説はほかにも何冊かあるんだけど、読むタイミングが難しい。
 ここで一気に読むべきだったかな。

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