2018年3月1日木曜日

2018年2月の読書メーター ~旅と涙と男と読書~

 月初め恒例てぬぃっき。
 読書メーター編。

 予告通り電車旅のお供の読書タイムにて数を稼ぐ。
 や。冬の雪国は予想以上のゆき具合に、身動きが取れず+体調も崩し旅先で大きく出回れず、想定以上に数を稼げた。
 いつも大体、持って言った本たちの殆どをそのまま持ち帰るんだけ、今回10冊厳選して持って行って8冊読んだ。
 まぁいつもは、旅先には普段読まないタイプの本を混ぜておくんだけど、今回はぶっちゃけ好きな作家メインで詰め込んだのも稼げた要因。

2018年2月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:5567ページ
ナイス数:67ナイス

https://bookmeter.com/users/682213/summary/monthly
■ワキヤくんの主役理論2 (MF文庫J)
 主役として振る舞い密度の濃い青春を謳歌すべく練り上げられた『主役理論』を武器に高校デビューを果たした主人公の物語。
 脇役哲学の同居人との対立系の話はなりを潜め、ヒロイン的役どころの物語が紡がれる。
 主役脇役の対立を期待するとあれかもしれないが、まぁ前巻で一応の決着を見せているのでその方向は広がらないのかもしれない。
 伏線というほど隠れてもいないところにライトノベルらしい【青春の定石】をどんどん投入し始めている。
 これを理論でどう料理していくのか楽しみなところ。
 弟君が可愛い。
 
読了日:02月02日 著者:涼暮 皐
https://bookmeter.com/books/12484537

■QED 出雲神伝説 (講談社文庫)
 発売してすぐ買っていたはずだけど、面白いのが分かっているから後回しにしていていま読了。
 例によって殺人事件と歴史の謎をいっぺんに解くシリーズ。
 解法に独特の観点が必要なので、シリーズを通してタタルの論法を理解していった方が理解が深まり面白さも増幅される。
 このシリーズを読むとタクシーはマイナーな旧跡もマスターしているように思えるけど、実際地方で試みるとタクシーの運転手さん大抵頭抱えて調べまくるのよね。
 もっとリアルに、旧跡近くの別の目印を伝えるべきだと思うんだ。
 カンナとのリンクも素敵。
読了日:02月03日 著者:高田 崇史
https://bookmeter.com/books/5822351

■ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 (角川スニーカー文庫)
 26歳男性独身サラリーマンが家出女子高生を拾って同居する「だけの」物語。
 AVかエロ漫画のような基本設定ではあるが、そこから思い切って「エロ」を取っ払って、非現実的な基本設定を現実的に描いた掌編連作。
 元々がWeb小説らしく、短い話が積み重なって一冊になっている。
 そこに、主人公を取り巻く様々な女性の構図が面白い。
 日常系であり、その殆どが事件とも呼べないような事象ではあるが、そのテンポの良さが読みやすさに繋がり、一気に読めた。
 もっと、複雑にドロドロしたギリギリの攻防的な長編的な続編を希望。
読了日:02月05日 著者:しめさば
https://bookmeter.com/books/12592431

■俺の股間がエクスカリバー! (講談社ラノベ文庫)
 アニメイトのレジの娘は今日もかわいい。
 なかなかレジに持っていきにくいタイトルではあるが、あまりにあんまりすぎるタイトルに思わず手が伸びてしまった。
 股間に「せいなる力」が宿っただけで、あとはスタンダードすぎるほどスタンダードな流れなのは、ある意味正解なのでしょう。
 構成がこなれたポルノ小説のそれだなと思っていたら、もともとそっち畑の作家さんらしい。
 お色気に特化していないライトノベルレーベルでは行き過ぎなレベルの描写の連続で期待を裏切らない。
 ただまぁ流石に挿絵の方は描画されていないけどね。
読了日:02月08日 著者:遠野 渚
https://bookmeter.com/books/12624812

■あなたの健康を損なうおそれがあります (Novel 0)
 タイトルに惹かれて購入。
 異能を用いて、怪異を解決する現代ファンタジー。
 正直昭和のジュブナイル。
 ブラック企業に搾取されていた主人公が異能の発現と共にホワイト企業に転職し、異能を武器に怪異な事件を解決していく、テンプレートな流れ。
 ぶっちゃけ超能力で超常現象を解決するだけの物語。
 短編連作式。
 ブラック企業の定義もあるだろうが、ブラック企業のブラックさが伝わってなく、普通に順応していた風に読めちゃうし、ホワイトらしい企業が健全なのかも疑問符が湧かないこともない、テーマなのに。
 普通。
読了日:02月10日 著者:作楽シン
https://bookmeter.com/books/12525245

■回想のぬいぐるみ警部 (創元推理文庫)
 キーになったりならなかったりするけれど、ぬいぐるみが登場するミステリ短編。
 ぬいぐるみを愛する超絶美形な切れ者警部と、彼を取り巻くチームで事件を解決して今物語。
 日常の謎の文法を殺人事件に取り入れたような印象。
 突飛な偶然がパズルめいた作用により、複雑になった事件をうまい具合にほぐして解決する流れには、好き嫌いが判れるかもしれない。
 そこをコメディタッチのテンポでのフォローでまとめている気がするので、わたしは割と好き。
 ただ、やっぱり探偵役はぬいぐるみ警部に全部担って欲しかったかなぁ。
読了日:02月11日 著者:西澤 保彦
https://bookmeter.com/books/11541399

■パンツあたためますか?2 (角川スニーカー文庫)
 前巻で割と綺麗に纏まっていたのでこの続編を観たとき、どうなっているのか興味があった。
 全く別の主人公の話であってもおかしくないかなぐらい思っていたんだけど、前作の直系続編だった。
 凡百のライトノベルに対するアンチテーゼの如く、モテ期が到来し登場する女性たちに惚れられるまるでライトノベルの主人公の様なライトノベルの主人公。
 普通のライトノベルの主人公が決して味わうことのない現実味のある怖さが表現されていると思う。
 いい意味での裏切りが心地いい。
 シャレの効いた主人公の発言表現も割と心地いい。
読了日:02月14日 著者:石山 雄規
https://bookmeter.com/books/12472216

■森博嗣のミステリィ工作室 (講談社文庫)
 文庫派なので著者の講談社文庫の本を刊行順に読んでいったらS&Mシリーズ10冊の後にこの本に辿り着いた。
 ルーツミステリ100冊紹介や自作解説。
 専門誌・業界紙に寄稿したエッセイなど。
 はたまた、学生時代マンガを描いていた頃の作品まで幅広く森博嗣のルーツを辿る本。
 ただ自作解説では、文庫ではこの次の刊行となる「地球儀のスライス」まで語られてしまった。こういうことがないようにわざわざ刊行順に辿っていたのに。
 同人サイズの漫画を文庫に縮めたマンガがかなり読みにくかったのは残念。
 趣味と研究と執筆。
読了日:02月14日 著者:森 博嗣
https://bookmeter.com/books/554157

■水族館の殺人 (創元推理文庫)
 ある意味館シリーズの第2巻。
 探偵役が高校生で学校じゃない舞台で捜査することそのものに無理がある気がしなくもないけれど、そういう設定なので仕方がない。
 ヲタ少年が報酬に釣られて探偵するシリーズ。
 水族館を舞台に限られた容疑者の中から犯人を絞り込んでゆく。
 探偵の独り言から、考えを読み取り読者なりに考える余地を残してくれる。
 読者への挑戦あり。
 「体育館」「水族館」、起承転結でいえば次は「転」。
 「ジンギスカンの殺人」とか「ペンタデカンの殺人」とか変化球で来ると推測。
 「太田道灌の殺人」。
読了日:02月19日 著者:青崎 有吾
https://bookmeter.com/books/11053206

■引きこもり勇者VS学級委員長まおう (ファミ通文庫)
 あの事件以来少なくなった気がしなくもない「学校を舞台とした魔王と勇者モノ」になんとなく反応してしまい購入。
 魔王来襲に備え最強の勇者を仕上げ待ち構えていた人類に魔王が和平交渉。一気にいらない子になった勇者が引きこもりに、そこへ学級委員に就任した魔王が…な話。
 表紙で勇者がコントローラを握っているように、ゲーム系ライトノベルとしても楽しめる。
 魔王と勇者がゲームで遊ぶ物語でもあるわけね。
 割とベタなので展開は読めないでもないけれど良質のホラー作品の如く、くるぞくるぞと思わせて本当に来る展開は最高。
読了日:02月19日 著者:春日山 せいじ
https://bookmeter.com/books/12556909

■カンナ 戸隠の殺皆 (講談社文庫)
 カンナシリーズの5冊目ではあるけれど、QEDシリーズとも共通する解釈も多いので、刊行順に両シリーズを追った方がより楽しめると思う。
 現代忍者アクション。
 歴史は覚えるものではなく考えるものとして事件のついでに歴史の真実を探る。
 今回は「戸隠」ということで、「岩戸」「紅葉」などの伝説に迫るけれど、独特の解法が展開するため、この本だけ読むのは勿体ない気もする。
 物語も恋に組織に色々複雑に絡まって面白くなっているけれど、そんなことより歴史の謎をもっと追ってほしくあっちゃう。
 や。面白いんだけど。
 
読了日:02月19日 著者:高田 崇史
https://bookmeter.com/books/6727957

■なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか?3 (GA文庫)
 異能犯罪を異能で取り締まる英雄を育てるための学校でレベル1の貧弱能力ながら無双の勝利を連取する主人公の話、完結編。
 主人公の異能の正体から、ヒロインの家庭事情、ラスボスに至るまで、綺麗に詰め込んで綺麗に纏まったTHE完結。
 3巻で終わるのも勿体ない気がしなくもないけれど、風呂敷を広げっぱなしで打ち切られるのはもっと勿体ないから、ちゃんと結末が読めてよかったのかもしれない。
 打ち切り漫画の如くな無理やりな伏線回収感もなく、強引なラストという風にも感じなかったので最初から予定されていた展開だったかな。
読了日:02月20日 著者:霜野 おつかい
https://bookmeter.com/books/12616107

■さよならは明日の約束 (光文社文庫)
 ビブリオミステリに属するのかしら。
 実在したりしなかったりする古書が絡んだり絡まなかったりする事件性があったりなかったりする本格ミステリ。
 蔵書に囲まれた喫茶店で本好きのマスターと読書マニアの女子高生とB級映画狂の男子高校生が、謎を推論に推論を重ねて真相を検討していく物語が詰まった短編連作。
 特にシリーズものではないので、この本からで十分楽しめるけれど作中著者のデビュー作を引き合いに出すシーンがあるため「解体諸因」を先に抑えておくとちょっと嬉しいかも。
 恋愛要素も謎絡みの構成は完璧恋愛ミステリ。
読了日:02月21日 著者:西澤 保彦
https://bookmeter.com/books/12451833

■たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語4 (GA文庫)
 安定のシリーズ第4巻故基本構造は割愛。
 初心者向けの枯れたダンジョンに高レベルモンスターが出現してんやわんやする話。
 ゲームでいうとウィザードリィ的な展開かしら。
 王様が懸賞を保証し冒険者がダンジョンに挑む。
 ユーモア系なのでその報酬にミスがありとんでもない報酬が約束されちゃった展開になるわけだけど。
 物語の大筋が固まった巻かもしれない。
 そんな方向転換の巻だからか、いつも冴えるすれ違い&勘違いネタもいつもほど多くなく、やや残念。
 もっと日常寄りの話の方が勘違いの面白さが引き立って好き。
読了日:02月22日 著者:サトウとシオ
https://bookmeter.com/books/12541272

■見えない復讐 (角川文庫)
 ド社会派なテーマをド本格で料理したミステリ。
 読み始めて数ページ、社会派っぽいテーマに投げ出したくなったけれど、社会派だとしてもこの作者が面白くないはずがないと読み進めたら、やっぱり面白かった。
 犯罪が絡んだり絡まなかったりする日常の謎レベルの話も混ぜつつ、短編連作的に展開する。
 反論もなくもない推理もなくもないけれど。
 超絶天才が二人登場し、それが敵対していない立場から超絶推理で探り合う。
 名探偵vs名犯人とは全く別の方向性の推理合戦こそ、この作品の読みどころな気がする。
 最後も納得。
読了日:02月22日 著者:石持 浅海
https://bookmeter.com/books/7357290

■僕と君だけに聖夜は来ない (角川スニーカー文庫)
 スニーカー文庫の折り込み広告に『「好き」-彼女の言葉が世界を巻き戻す。』とあり、タイムループものは数あれど大抵「死」がトリガーとなり「好き」というのは珍しいと思ったんだけど…。
 よく読んだら「好き」を引き金に彼女が死に時間が巻き戻る流れのようだ。
 まぁそれでもタイムループものは好きなので興味深く読む。
 主人公がループ脱出のためにタイムループ作品を勉強し倒し、解法を探る流れは好感。
 タイムループはミステリとして語られることも多いが、この作品に関してはミステリ的要素は少ない印象。
 
読了日:02月22日 著者:藤宮カズキ
https://bookmeter.com/books/12473145

■俺の青春に、ゲームなど不要! (電撃文庫)
 中学時代クラスでハブられゲームしか友達がいなかった主人公が、高校デビュー的に普通に生活できるようにとゲームを封印する話。
 学校でゲーム仲間とゲームをする系ライトノベル。
 作家がそういうオーダーを受けて書き上げたのでしょう。
 出鱈目なゲーム用語に間違った使い方、大昔の小学生向けファミコンマンガな感じの作品。
 ゲーム描写以外でも、ご都合展開も多く残念。
 取り敢えずオーダー通り仕上げたって感じ。
 ゲームは実名では登場しないけれど、モチーフのあるものはなんとなくわかる感じには書かれている。
読了日:02月27日 著者:高峰 自由
https://bookmeter.com/books/12578891


▼読書メーター
https://bookmeter.com/

 大分多く読んだ1月よりさらに多い17冊。
 ナイスも安定してボチボチ。
 なんと今回、著者自ら「ナイス」していただく栄誉にあずかりましたよ。
 ・・・ワルクカカナクテヨカッタ・・・
 ライト枠は新作を中心に適当に。
 ミステリ枠は、今年は当分これ推しで行く作戦・・・「石持 浅海」「高田 崇史」「森 博嗣」の三人をレギュラーでローテーション組んでその合間に、ほかの作家の作品を挟んでいく大作戦。
 まぁ現在「西澤 保彦」が準レギュラー的頻度で顔を出しているけれど。

 3月は流石にペースダウンするかしら。
 や。特にペースを落とす要因もないんだけどね。
 去年でいえば、特に何もなければ6~7冊が普段のペースだから、普通に戻る感覚で。

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