『ドラゴンマガジン』を買ってみた。
創刊号から数年間愛読していた雑誌。
この雑誌から「猿山リム」は生まれた。
何十年も買っていなかったんだけど、ちょっと買ってみた。
当時と比べてみようと思って。
現在でも、ライトノベル系をよく読んでいるので、そんなに遠い雑誌でもないしね。
まぁ当時は「ライトノベル」なんて言葉はなかったので、直系のご先祖といったあたりか。
小説誌ではあるが、小説だけにとどまらず、まだ日本にはほとんどプレイ人口のいなかったTRPGをはじめとしたアナログゲームの紹介も充実していた。
現在版ドラマガ(今は何と略称されているか知らないが当時はドラマガ・DMと呼ばれていた)は、小説一辺な気配。
コラム的なものも少ない。
当時。
ドラゴンマガジンといえば、読者の雑誌。
読者コーナーがいくつも存在し、読者参加型企画も多かった。
その分、投稿者の質も高く、質の高い投稿から厳選された読者コーナーは下手な創作より面白かった。
読者が企画を提案して、それが採用されたりもあったね。
読者がサークルを作る「ギルド」企画が大当たり。
同好の士が3人以上集まると「ギルド」を結成できる。
6人以上集まると「村」を結成でき、雑誌内の架空国家「ガメル連邦」内に架空の土地を与えられる。
そんな感じで、「街」や「国」を結成でき、活気ある活動は、雑誌内にとどまらなかった。
読者の読者のための読者によるイベントなんてものは、いまでも謳っている雑誌はあるだろうが、大抵「やりたいことを募集」して実行する程度のイベントだろう。
ドラマガのイベントは、本当に1から読者が企画し運営し楽しませるイベントだった。
ギルド規模が「国」ぐらいになると、単体でもその位の事が出来る勢いがつくのよ。
そのイベントに雑誌編集者が(お忍びで)遊びに来るレベル。
読者として、こんなに楽しい場はない。
・・・ただ、大きくなりすぎたのね。
わたしが知る限り、犯罪になるレベルの大きなトラブルは無かったけれど。
勢いがついた素人が、暴走していつ何をしでかすかわからない。
当然ガメルに友好的な編集者も沢山いたけれど、それ以上彼ら以外の雑誌社の人は警戒していた。
そこで一気に「ガメル連邦」終了のお知らせが入り、ガメリアンがドラマガを離れ今日に至る。
猿山リムも「猿山村」の主催者「リム」だから、猿山リム。
「村」を名乗っているけれど、最盛期で60人以上いたから、国も名乗れた規模ではあったはず。
そんな過去を持つドラマガの現在の読者コーナーに興味があった。
探して探してようやく、小さなコーナーを発見。
雑誌の感想を寄せるタイプのコーナー。
「面白かった」「最高だった」具体性のない提灯投稿に、編集者が宣伝を交えてコメントするスタイル。
や。投稿者が悪いんじゃなくて、そんな投稿が掲載されるから、そんな投稿ばかりになるんだろうね。
個性的な投稿者が出現して、カリスマ常連を中心にガメル連邦の再来を恐れているのでしょう。
投稿者が個性を発揮できないように、名前はすべてイニシャルに統一されている。
今こうして読むと、ドラマガ編集者が、どれだけ「ガメル連邦」を警戒していたかがよくわかるな。
雑誌投稿からプロになったイラストレーターが多いように、ガメル出身の作家やゲームデザイナーなんてのもいるんだけどね。
問題起こされて、悪いニュースで雑誌名がニュースに出るより切り捨てちゃった方がいいという判断だったんだろうね。
・・・というのは、完全な私の被害妄想じゃなく、ガメルの発起人だった編集者さんと話す機会が以前あって、そこで警戒っぷりは聞いていたんだけどね。
なんかね、自由な校風が心地よかった学校に立ち寄ってみたら、校則がんじがらめになっていて窮屈そうだなと思いつつ、今の学生がそれで満足しているならいいのかななんておもいつつ、やっぱり自由な校風に育まれた完成は後に役に立つよと言いたくなる、おっさん先輩な心意気。
・・・ってか、ガメルイベントってば、今でいうオフ会の大きなもの感覚なんだから、復活しても問題ない気がするけれどね。
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