2018年6月1日金曜日

2018年5月の読書メーター ~繋げ!テーマを繋げたコンボ祭り~

 月初め恒例てぬぃっき。
 読書メーター編。

 今月は、母の入院&手術で、病院待機で若干冊数を稼げた感じか。
 ぷち旅も行ったんだったっけ。
 いろいろあって、仕事がきつかった割に沢山読めた月。
 いろいろあって、仕事がきつかったから読めたのかもしれん。

2018年5月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:5234ページ
ナイス数:79ナイス

https://bookmeter.com/users/682213/summary/monthly
■数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。 (電撃文庫)
 2巻を見つけ気になって1巻を探し購読。
 タイトル通り異世界へ召喚された現代人が立ち回る系。
 他のこの手の作品と大きく違う所がいくつもアリ好感。
 転生に際し特にチート能力を得たわけでなく元々の知識で戦う点。
 大学で数学者を目指し数学を究めていてその数学を武器にしているのね。
 なので成人男性であり、この手にありがちな高校生が得意げに立ち回るものと比べて安定感がある。
 ライトノベルの戦争系は、主人公無双でバンバン系が多いが、順風満帆に運ばない構成は、まぁ当たり前の構成でもあるんだけど、面白い。
読了日:05月02日 著者:長田 信織
https://bookmeter.com/books/12094160

■僕たちの小指は数式でつながっている (宝島社文庫)
 数学的恋愛小説を期待して購読。
 数字を愛する少女が主人公の持つ数字に興味を持ち接近する流れ。
 そこに周期で記憶がリセットされる要素を足したパズラー的ミステリー+恋愛小説SF風。
 記憶がリセットされる要素は、一種のタイムリープ的な要素かなと思わないでもない。
 数学モノって今のところハズレがない気がする。
 パズラー好きには存在自体がパズルである数学作品が肌に合うんだろうな。
 「モンティ・ホールの問題」は浜村渚シリーズの解説の方が分かりやすい。
 ただ東名から箱根に向かうと普通、開成町は通らない。
読了日:05月04日 著者:桜町 はる
https://bookmeter.com/books/12699815

■数字で救う! 弱小国家 2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。 (電撃文庫)
 頭脳戦で斬新な作戦を立案するも、周囲の凡将の無理解に阻まれて難航する流れは、「銀河英雄伝説」などに通じるのかしら。
 そろそろ、敵国の中にも、知将が出現すると盛り上がると思うのだけど、如何でしょう。
 あと冒頭の図は、誤りだと思う。
 これは「おっぱい関数」ではなく、「お尻関数」の方が真と思われる。
 それを踏まえて、おじいさんの数式を眺めると、お尻につきものの「おでき」との解釈が成り立つ。
 と、まぁ。
 相変わらず、冒頭の「つかみ」の数式に掴まれ、楽しく読み進められました。
読了日:05月10日 著者:長田 信織
https://bookmeter.com/books/12739416

■人形式モナリザ Shape of Things Human (講談社文庫)
 レギュラー登場人物も多く、この事件のキャラクターも多く、中々事件が始まらず、捜査も分散的であり。
 なかなか読みにくく感じた一冊だった。
 内容そのものや伏線なども面白かったんだけど、新人作家の作品のように分かりにくい構成に感じた。
 この作家の作品なので綺麗に纏まると信じて読んで綺麗に纏まったからいいんですけどね。
 著者の他の作品を読む前に読んでいたら退屈に感じたかも。
 長野の観光地の博物館を舞台にした衆人環視殺人系。
 観光地の博物館でそんなに人が集まるかなと思わないでもない、旅好きな私の感想。
読了日:05月10日 著者:森 博嗣
https://bookmeter.com/books/566921

■ぽんしゅでGO! ~僕らの巫女とほろ酔い列車旅~ (ダッシュエックス文庫)
 「旅」であり「日本酒」であり「巫女」に「駅弁」までついて、とどめに「YouTube」ときたので購読。
 まぁぶっちゃけ「めがみめぐり」。
 旅人として共感できる部分と、広義のとはいえユーチューバーとして、何かするときにカメラを回さないのはあり得ないかなと共感し難い部分もあったり(や、メントスコーラ程度の持ちネタしかないならあり得るかもしれないけれど・・・)。
 旅動画作れよ!田植え動画作れよ!観光動画作れよ!と思わないでもない。
 殆ど事件もないなか、お酒と鉄道の蘊蓄を語る描写が幅を利かせる作品。
読了日:05月11日 著者:豊田 巧
https://bookmeter.com/books/12467270

■21グラムのタイムトラベラー (小学館文庫キャラブン!)
 ごく普通の恋愛小説に未来から来た幽霊を盛った作品。
 個人の感想ではあるけれど、そんなにこの「幽霊」の存在が生きているようには感じなかった。
 や、まぁ幽霊だから死んでていいのかもしれないけれど、そういう意味じゃなく。
 帯に「青春ミステリー」とあったので、もっと主人公が、考えに考え抜く作品と思って買ったんだけど、そこまでしっかり考え抜くタイプの作品でもなかったと思う。
 小学生・中学生・・・と順を追って語られる構成は解りやすく、読みやすかった。
 敢えて乱暴に書くなら、割と普通な恋愛小説。
 
読了日:05月11日 著者:天沢 夏月
https://bookmeter.com/books/12751812

■閻魔堂沙羅の推理奇譚 (講談社タイガ)
 閻魔大王の娘に審判される話。
 短編の前半部分でその人が死ぬまでの物語が綴られる。
 何やかんやで推理ゲームに挑む流れになる。
 例えば自分を殺した犯人を当てるとか。
 推理ゲームに挑まなければ天国。
 推理ゲームを外せば地獄。
 推理を理詰めで当てたら生き返り。
 謎を解くための情報は、既に与えられていることを宣言される。
 …つまりそれは読者にも十分な情報を与えられているという事であり、全編「読者への挑戦」付きともいえる。
 後半は、前半の情報を吟味してひたすら考える。
 こう考えまくる作品は最高。
読了日:05月14日 著者:木元 哉多
https://bookmeter.com/books/12685397

■毒草師 白蛇の洗礼 (朝日文庫)
 QEDのスピンオフにして出版社を跨いでの第2弾。
 基本構造はQED同様、歴史の謎+殺人事件をいっぺんに解く形ではあるが、QEDより殺人事件に比重があるのかな。
 毒繋がりで「薬屋のひとりごと」と並行して読んでいたので、内容が非常に分かりやすかった。
 千利休および茶道をテーマに、彼らにまつわる様々な謎を掲げ、議論を交わしつつ、筋の通った結末に落とし込む流れは、流麗。
 ただ、著者のほかのシリーズと比べレギュラーメンバーの動きが少ないので、シリーズとしての愛着が湧きにくく感じはした。
読了日:05月19日 著者:高田崇史
https://bookmeter.com/books/5597074

■薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫)
 ビッグガンガンの漫画版で面白さを知り、著者の別の作品も読み興味をそそられ、漸く本書を読了した。
 一話数ページの掌編ペースを積み上げ、ひたすらテンポの良い構成なので、普段読書をしない層にもなじめ安いかもしれない。
 後宮を舞台に、毒を含む薬や医学に通じた少女が、その知識と観察眼を武器に謎を解くミステリ譚。
 掌編ペースなので、時に解決がすっきりしない部分も出てくるが、そういう話は後の話でちゃんとフォローが入っていたり、全体を通してまとめられている感じ。
 女の園の話ではあるがお色気要素は限りなく薄い。
読了日:05月19日 著者:日向 夏
https://bookmeter.com/books/8242918

■クズと天使の二周目生活 2 (ガガガ文庫)
 タイトル通りタイムリープ物の第2巻。
 ルールが付随していて、人生を改竄するけれど、運命にばれないように小さな改竄を繰り返し、よりマシな人生を目指す物語。
 声優を起用したラジオ番組を舞台に、新米構成作家な主人公が、成功する人生を目指す。
 この手の物語にありがちなジレンマも、ちゃんと作品に取り込み、タイムリープファンの心を掴みつつ、声優業界ファン、ラジオファンなどの好奇心をも満たす。
 美少女を出せばいいと思ってられるような凡百のライトノベルに対し、おっさんを大量投入する新機軸も魅力・・・か?
読了日:05月20日 著者:天津 向
https://bookmeter.com/books/12687210

■西城秀樹のおかげです (ハヤカワ文庫 JA)
 ニュースで西城秀樹の訃報を聞き、そういえば積んでいた本にこんなタイトルの本があったと思いだし、追悼の意味も込めて読了した一冊。
 西城秀樹が無くなった世界で、西城秀樹の功績を再確認する話(という側面もないこともない話)。
 掌編SFを短編に膨らませた感じの作品な印象。
 テーマもあるんだかないんだかギリギリのラインを攻めてられる気がする。
 膝を叩いて喜んじゃう様なオチがあるというよりは、全編じわじわ楽しむタイプという感じか。
 緻密で官能小説張りのエロ描写も一つの大きな特徴。
読了日:05月21日 著者:森 奈津子
https://bookmeter.com/books/517338

■君がいなくても平気 (光文社文庫)
 解説によると「探偵でも犯人でもワトソン役でも被害者でもない人間」を主人公にしたミステリとのこと。
 探偵役でないので、積極的な捜査を行わないわけで、限りなく社会派ミステリの文法で語られる本格系ミステリ。
 多分、本格系な文法を求める層が多いと思われる著者のファンからは浮いた感じになるタイトルなのかなという感想。
 探偵役でないなりに、今ある材料から自分の恋人が殺人犯かもしれないという推理に辿り着いた主人公が、どう考えどう行動するのかを追った作品。
読了日:05月24日 著者:石持 浅海
https://bookmeter.com/books/4197261

■ライトノベル史入門  『ドラゴンマガジン』創刊物語―狼煙を上げた先駆者たち
 創刊辺りからの熱心な読者である古参ガメリアンとして手に取らざるを得なかった一冊。
 あくまで「ライトノベル史入門」として切り取っているので、DM初期の特徴である、豊富な読者コーナー及び読者参加企画、TTRPGなどのアナログゲーム企画な側面は軽く撫でる程度。
 わたし個人的にガメル連邦※担当こと加藤氏から裏話を聞いたことがある。結構深いガメリアン事情はあったらしいのよね。
 ヴィジュアル+小説の文法云々をひたすら繰り返す内容な印象。
 極端な打ち切り作品「スモーウォーズ」等の事情も一切触れられてなく残念。
読了日:05月24日 著者:山中智省
https://bookmeter.com/books/12557113

■やりなおし英雄の教育日誌 (HJ文庫)
 タイムリープ物かなと気になり手に取る。
 裏表紙のあらすじでネタばれしているが、本編では序盤伏せられている感じの内容はここに書いてもいいモノか。
 ちょいと捻った「やりなおし」物。
 主人公の無双しない塩梅のチート能力、分かりにくい生徒たちの立ち位置、無理矢理盛ったような騒動など、総じてご都合じみた展開も無くもない。
 エンターテイメントと安易な展開の絶妙なバランスを感じ、その微妙なラインで評価は分かれそう。
 魔術の理論をすべて読者に伝えたうえで、応用技を駆使すれば、魔術アクションとして成立しそう。
読了日:05月26日 著者:涼暮 皐
https://bookmeter.com/books/12244043

■閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室 (講談社タイガ)
 ナンバリングがないけれど、シリーズ2作目。
 とはいえ、短編集でもありこの本から読んでも問題は無い・・・が、前作がストレートな作風で、今作はちょっと変化球も交えているので、真っすぐを見てから変化球を愉しむ方が面白みは増す気もする。
 秋には3巻が出るらしい。
 ものすごく気に入ったシリーズなので、ポンポン矢継ぎ早に出すよりも、1年1冊でもいいから10年20年と続けて欲しい。
 や。このペースで20年続けてもらっても勿論嬉しいことは嬉しいけどね。
 もっと意表を突く隠し玉が、後何球もありそうで楽しみ。
読了日:05月27日 著者:木元 哉多
https://bookmeter.com/books/12846442

■霧ノ宮先輩は謎が解けない (講談社ラノベ文庫)
 タイトルに惹かれて購入。
 わたしはライトノベルも好きですが、それ以上に本格ミステリが好き。
 故に本格ミステリとして読んだ。
 タイトル通り(?)探偵役の推理は的を外すが、ワトソン役が謎を解く構成。
 本格ファンの琴線に触れる辺りは確実に押さえているようには読める。
 多分著者も本格ファンなのであろう。
 ただ、本業ミステリ作家で無いからか、ライトノベルに求められる「軽さ」を無理に仕込んだからか、ツボを微妙に外してしまっているように感じた。
 ライトノベルにしては重すぎ、本格ミステリにしては軽すぎか。
読了日:05月31日 著者:御守 いちる
https://bookmeter.com/books/12221946


▼読書メーター
https://bookmeter.com/

 数学コンボに、毒コンボ、タイムリープコンボと、似たテーマを小刻みに重ねられたのは、なかなか痛快。
 『閻魔堂沙羅の推理奇譚』シリーズが自分的にヒット。
 ひたすら考える作品が好きなのです。
 以前タイトルが面白いと買ってはいたけれど、多分読むタイミングを計れないまま積まれっぱなしになったであろう『西城秀樹のおかげです 』を完璧なタイミングで読めたのも今月の要点。
 ここから、SFコンボに繋げてもよかったんだけどね。
 SFも嫌いじゃないんだけど、嗅覚がまだまだ未熟で。
 強化月間を設けた方がいいかしら。

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