2015年11月29日日曜日

裁判長!ここは懲役4年でどうすか

裁判長!ここは懲役4年でどうすか
★★★★☆
2015年11月某日 鑑賞
DVD

2010 日本
96

監督
 豊島圭介
脚本
 アサダアツシ
キャスト
 設楽統 片瀬那奈阿曽山大噴火 
映倫
 G
傍聴、無料。立ち見、不可。

おっぱい
 ない。
ゲーム
 なし。

【人生】
 「猿山村法廷映画祭り」。
 人生を大きく変えた映画というモノが存在する。
 この映画は間違いなくそれに該当する一本。

 主人公は映画の脚本でデビューし・・・それが鳴かず飛ばず・・・なんとか企画をでっち上げてしのいでいる三文ライター。
 美人映画プロデューサーの目に留まり、愛と感動の裁判映画の脚本を書くように依頼される。
 裁判員制度が導入され、裁判映画のブームが来ると読んでの依頼。
 そのために、裁判の傍聴でたっぷり取材するように指示が出る。
 裁判の傍聴を続けるうちに、傍聴マニアと知り合いになり、傍聴にハマり・・・という流れの映画。

 原作は、物語ではなく、エッセイ寄り。
 編集部から、傍聴モノを書くように依頼されて、傍聴しているうちに、マニアと知り合いになりハマって行った・・・って流れだったと思う。
 エッセイだから、フィクションではなく、実際の裁判なのでより面白かった。
 
 それが、一回マンガになって、マンガを原作にドラマ化され、映画に至る。

 このドラマ版が、正直わたしには詰まらなかった。
 究極的につまらなかった。
 漫画原作って事で、変にコミカルな作りになってて、裁判中時間を止めて、主人公たちが学習漫画のノリで事件の解説したり、かなりがっかりした。
 好きな演者陣だったのだが、好きになれなかった。

 このころのわたしは、旅の目的を探していた。
 旅の面白さ気付き始めたころ。
 ただ、旅には目的があればより面白くなる。
 何か、面白いテーマは無いかな。
 そんな時期に出会ったのが、この原作であり、マンガであった。
 「裁判の傍聴」って面白いかもしれない。
 全国の裁判所を巡り歩いて、傍聴して回る。
 なかなか面白い旅のテーマだ。
 ただ、実際の傍聴って、どんな感じなんだろう。
 ・・・そんな思っていた頃に始まったのがドラマ版。
 やった!これで実際の傍聴の感じがわかる!
 ・・・・・・。・・・・・・。・・・・・・。
 実際は、コミカルにされちゃったから、服装だとか手順だとか、何の参考にもならず、ガッカリ度を深めた。
 ・・・ここで、何の参考にもならなかったから、傍聴めぐりは廃案にして、代わりに思い付いたのが、神社めぐりだったわけだ。
 ・・・だから、人生を変えた一本。
 このドラマが、ちゃんとしていたら、わたしは現在、休みが取れたら地方都市へ行き、裁判めぐりをしていただろう。
 裁判めぐりをしていたら、動画や写真も撮っていないから、ユーチューブに手を出すことも無く。
 動画の宣伝用に立ち上げた、このブログもやっていなかった(まぁブログに関しては傍聴ブログを立ち上げたかもしれんが)。

 ただ、それはドラマの話。
 この映画は、ドラマの映画版だと思って、長いこと無視していたんだけど・・・。
 ここで法廷映画を立て続けて観てみようと思いつき、この機会に買ってみた。
 ・・・あれ?別物?
 こちらは、マンガ版ではなく原作を原作にしている感じ。
 実際の裁判所も、入り口に持ち物検査があったり、しっかり描かれていて、ちゃんとした裁判所で起こる、意外な展開・・・的な原作寄りの面白さを追っていて好感。
 あぶなかった。
 当時この映画までしっかり観ていたら、神社めぐりではなく、裁判所めぐりをしていたかもしれない。
 そういう意味で、この映画もまた、わたしの人生を変えた一本。

 ただ、地味な裁判の積み重ねだけでは、映画として盛り上がらないので、裁判における「傍聴」というテーマで、傍聴人まで含めて裁判なんだという視点で物語を盛っている。
 それによって、ちゃんと映画としても成立していて、かなり好感。
 劇場で観てなくてよかったと思った。
 ・・・観ていたら観ていたで、面白い人生だっただろうけどね。

 ・・・で、DVDなので、特典の感想も。
 オーディオコメンタリーは無し。
 メイキングは、「裁判長!監督は懲役何年ですか」とタイトルして、演者が監督の罪を挙げていくスタイル。
 普通のメイキングは、お互いを褒める退屈なものが多いが、問題点を追及して、監督が答弁する形は、少し面白い。
 いい感じに裏話が聞けたり、ミスしたポイントがあらわになったり。

 もっと、ちゃんとボロカスに言ってもよかったかもしれないと思わないでもなかったけど。

 タイトル「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」は、もともとエッセイのタイトルという部分を汲んで解釈する感じ。
 実際に、傍聴人が判決を提案する作品ではなく、裁判を見ていると、その裁判の判決の予想がだいたい見当がつく・・・そこまでの域に達した傍聴マニアの話・・・ぐらいの意味。

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