2019年3月1日金曜日

2019年2月の読書メーター ~学問と殺人と異界ファンタジー~

 月初め恒例手ぬぃっき
 読書メーター編。

 今年から、ちょこちょこテーマ縛り月間を挟んでいこうと画策。
 2月は「お勉強月間」。
 本当は理系月間にしようと思ったんだけど、積んである本に文系的小説も散見されたので広げてみた。

 数学テーマの日記も考えていたんだけど、無駄に長くなりそうなので、後日に回そう。

 旅行に行った月なのに、冊数が伸びなかったのは、足を怪我して電車移動の企画を急遽取りやめたのが大きいかしら。
 やっぱり電車の中が一番読めるし。
 あと、同じテーマで映画枠も展開したんだけど、DVD-Box系が多く、家でもペースがつかめなかったからかな。
 10冊でも結構な数だとも思うけど。

2019年2月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3296ページ
ナイス数:29ナイス

https://bookmeter.com/users/682213/summary/monthly
■算数・国語・理科・殺人―礼儀正しい死体たち (ノン・ポシェット)
 今月は勉強がテーマの小説月間に指定。
 まずは、古めのこのミステリ。
 大金持ちの子供たちを教える大金持ちの家庭教師が主人公。
 好きな作家なので、間違いないと思って積んでおいた本ではあるが…純粋にミステリとして楽しむには…。
 奇抜な推理小説が求められていた時代の産物なのでしょう。
 著者らしくチャレンジャブルな死体を配置して楽しませてくれはする。
 トリックに深くかかわる、教育系トリビアを仕込んでくれるのも嬉しい演出。
 本編と関係ないが、禁煙席のないグリーン車を嘆くシーンがある。
 時代を感じる。
読了日:02月02日 著者:吉村 達也
https://bookmeter.com/books/70900

■国語、数学、理科、誘拐 (文春文庫)
 吉村達也の「算数・国語・理科・殺人」から続けての読了。
 似たタイトルを続けて読むと嬉しくなっちゃう…が、なんで両方「社会」が犯罪に置き換わるのだろう。
 「地理が好き」シリーズの西川麻子が塾講師時代の話。
 地理好きの西川嬢が地理で事件を解決したり、渚ちゃんが数学で事件を解決するように、塾講師たちが各々得意分野で事件を解決する話を期待したんだけれど・・・。
 まぁ一応、各々得意ジャンルで活躍して解決する話ではあるけれど、期待していた程の「勉強性」は無かった印象。
 学生に読んでほしい一冊。
 ほわぁ!
読了日:02月06日 著者:青柳 碧人
https://bookmeter.com/books/10353816

■心理学で異世界ハーレム建国記 (MF文庫J)
 女性恐怖症で女好きな主人公が治療のため心理学の解説書を学び夢の世界(異界)へ跳び心理学を用い女性を口説いていく物語。
 恐怖の対象が「人間」の女性ということで亜人のいる異界という発想。
 しっかりした構造の設定の中、安直なキャラクターたちによる、安直な展開で進行する。
 そこに、いちいち心理学の解説を施し、安直ではなく心理学に基づいた展開であることを補強する。
 そのすべての構造そのものが面白い。
 有名ライトノベル作家に似た名前でどんな人かと思ったら、本職精神科医の人らしい。
 ハーレムはキスどまり。
読了日:02月08日 著者:ゆうきゆう
https://bookmeter.com/books/12814801

■特装版 バカとテストと召喚獣12.5 (ファミ通文庫)
 最終巻後の短編集は、後日譚。
 本編の後の時間軸。
 微妙に変化した恋路の関係性を踏まえたうえで、相変わらずのバカを敢行する。
 クリスマスやスカートめくりの話。
 特典のCDドラマは、オリジナルでもこの本の内容でもなく、既刊のエピソードから取られた一本。
 何の工夫もなく、CDドラマに落とし込んでいるだけなので、アニメや声優に興味無い層には残念な感じ。
 特典の特典に、中の人の挨拶が収録されているので、声優ファンは嬉しいかも(原作ファンが嬉しいかは微妙)。
 新シリーズに期待。
読了日:02月09日 著者:井上 堅二
https://bookmeter.com/books/9308988

■心理学で異世界ハーレム建国記2 (MF文庫J)
 精神科医作家の描く心理学を織り込んだ異世界で主人公がモテモテになる作品。
 全編を漂うB級バカ全開な展開大爆発なのではあるが、根っこ部分が作品としてしっかり真面目に支えているので、ただのバカじゃなく、面白くするために必要なバカであり、凡百のただバカなだけのライトノベルと違い面白い。
 何でもかんでもキスで解決するご都合小説のようでいて、このキスて解決させるためにしっかりとした伏線根回しがなされているので、納得感がある。
 なんか最終回のような結末だったが、続きもあるようだ。
 次なる馬鹿に期待したい。
読了日:02月10日 著者:ゆうきゆう
https://bookmeter.com/books/13142869

■英語・ガイジン・恥・殺人 (ノン・ポシェット)
 軽井沢先生のシリーズ。
 著者は別の作品で英語の殺人トリックを成立させていたので、期待して読み進めた。
 英語や外人がテーマのミステリ。
 学校教育としての英語と、語学文化としての英語なんかも視野に入れつつ、英語コンプレックス&外人コンプレックスな殺人事件。
 このシリーズ、探偵役がいないんだな。
 先生も事件に首を突っ込むけれど、名探偵が快刀乱麻を断つ如くの推理は開陳しない。
 刑事たちも職務を全うするけれど、名探偵としての立ち回りをするわけではない。
 それでも事件は解決する。
 
読了日:02月14日 著者:吉村 達也
https://bookmeter.com/books/637664

■歴史オタクの俺が異世界で皇帝のバイトに採用されました (ファミ通文庫)
 タイトル通り。
 歴史に造詣の深い成人が会社の倒産に伴い職を失い異界の皇帝バイトの求人を見つけてしまい異界で辣腕を振るう系。
 ライトノベルでは非常によくある設定のよくある話をよくある感じにまとめたよくあるライトノベル。
 新人作家にしてはよくまとまった作品だ…なんて思いつつ読んでたんだけど、よく見たら著者はベテラン作家でした。
 うーん。ベテラン作家がこのテーマで筆を執ったなら、もうひと波乱ふた波乱イレギュラー込みの話で読みたかったかも。
 ハーレム描写で美女達の全裸シーンはあるけどそこに挿絵は無い。
読了日:02月15日 著者:舞阪 洸
https://bookmeter.com/books/13141024

■奇科学島の記憶 捕まえたもん勝ち! (講談社ノベルス)
 文庫を待つ派のわたしが唯一新書で追いかけているシリーズ。
 KOnozamaを喰らい発売日の翌日届いて今読了。
 伊豆諸島の小さな島を舞台に、奇怪な見立て殺人が起こる。
 住所的に東京都なので警視庁ということで、キック達が出張る流れ。
 キックの活躍を妬む上層部の妨害や、裁判を見据えた証拠集めなど独特の切り口を残し孤島の事件。
 ミステリファンなら、大まかな構造が見抜けちゃうかもしれないが、トータル的に面白い。
 QEDの似たシチュエーションの回のマンガの展開を頭に浮かべながら読み進めました。
 凝縮。
読了日:02月17日 著者:加藤 元浩
https://bookmeter.com/books/13488430

■青の数学 (新潮文庫nex)
 割とど真ん中の青春小説。
 普通の青春小説が、スポーツやらなんやらの競技を舞台に展開されるのに対し、この作品は「数学」にのめり込んでいる。
 スポーツを数学に置き換えるだけで、珍しさと知的さを加えられる無敵な構成。
 数学に魅せられた若者たちが、数学を通じて、様々なことを学び経験していく。
 数学合宿で、数学対決したり。
 スポーツを数学に置き換えたこの作品。
 数学をeスポーツに更に置き換えると、今の時代もっとマッチするような気がする。
 まぁコンピュータゲームもすべて計算で成り立っているしね。
読了日:02月20日 著者:王城 夕紀
https://bookmeter.com/books/11086722

■捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書 (講談社文庫)
 好きな作家の本でも文庫化を待つ派なのだけど、このシリーズだけはどうしても待ちきれず既に新書で読んでいたりする。
 好きな作家なので、文庫でも買って読んだんだけどね。
 細部は忘れていた部分もあるけれど、大筋は覚えていた感じでの再読になる。
 犯人やトリックが分かった状態で読むと、倒叙ものの読み方と、シリーズ一作目としてどのように読者をミスリードさせようとしていたかという部分に注目しての読書となり、別の楽しみ方で読めた。
 マンガ版にキックがゲスト出演しているし、小説版にも燈馬くんや森羅が出ないかなぁ。
読了日:02月27日 著者:加藤 元浩
https://bookmeter.com/books/13455101


▼読書メーター
https://bookmeter.com/

 縛っただけあり、全部勉強系。
 全教科(主に国語)、全教科、心理学、全教科(テスト)、心理学、英語、歴史、キック、数学、キック。
 キックは、直接勉強要素は薄いけれど、マンガのQEDの作者が著者なので数学の縁戚という扱いで勉強一族に入れました。
 まだまだ勉強系はあるんだけど、勉強縛り月間を何度もやるほどのテーマでもない気がしている。

 振り返ると、もっと理系バリバリのミステリとかも混ぜ込みたかったなぁ。
 や。キックの枠にそっち系を入れるべきだったとは思うんだけど、無理矢理勉強系にしてでもこの2冊はすぐ読みたかったんだな。

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