建築士・音無薫子の設計ノート 謎あり物件、リノベーションします。
逢上央士
宝島社文庫
★★★☆☆
一芸に秀でた若き天才肌の女性が、新人男性を助手にこき使いながら、その道の指導をしつつ世の中の謎を解いていく物語が、沢山ある。
当たった設定だから、右へ倣えで出るは出るは。
や。いいのです。もう、そういうジャンルだと思えば。
ひとりの作家が、ハイペースで書き続けても、その出版ペースには限度がある。
いろんな作家が、色んなモチーフで、同じ立ち位置の探偵小説をハイペースで書きまわってくれれば、読者は次を待つことなく、貪欲に次々読むことができるので幸せなのである。
・・・やりすぎると飽きられる危険性は秘めているけれど・・・まぁわたしは飽きないけれど、世間が飽きたら出版ペースが落ちるだろうから悲しいな。
この作品の舞台は建築士。
天才肌の若き女性建築家と、研修生として採用された大学生が、真に客の意図に沿ったリフォーム・リノベーションを施す物語。
探偵小説の文法を採っているため、一見客のオーダーを無視しているかのような滅茶苦茶な施工を強行するんだけれど、地道な聞き込みや調査から、客の本当の声を聞き取り、丸く収まる流れの話が詰まった連作短編。
個人的に「ん?」と思った部分も無くはないけれど、まぁこの手のジャンルにハズレなし(今の所)。
☆三つ以上の良かった点☆
・一芸に秀でた若き天才肌の女性が、新人男性を助手にこき使いながら、その道の指導をしつつ世の中の謎を解いていくジャンル。
・建築業界。
・間取り図。
☆猿山式キャッチコピー☆
建築家が暴く本心。
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