2017年3月3日金曜日

2017年2月の読書メーター ~旅路巡りは読書のしらべ~

 月初め恒例てぬぃっき。
 読書メーター編。

 2月は旅行の月。
 しかも鉄道旅行なので、読書量多め。
 折角旅に出るなら、旅先ゆかりの本を読むのがいいんじゃないか。
 突然思いつき、適当に買いあさって旅先で読む。
 本当は、歴史系を読むつもりだったんだよね。
 歴史小説も嫌いじゃないんだけど、普段なかなか手を付けないから、逃げ道のない旅に持っていくにはちょうどいいかなと。
 九州、熊本ということで、龍造寺系から鍋島・葉隠れ系を探したんだけど、思いついたのが直前だったこともあり手に入らず、天草四郎に落ち着いた。
 ただ、よく考えると、旅先系読書は、予習として旅立ち前に読了しておいて、作品に登場する土地をめぐり、作品に思いをはせる方がよりいいという気もしなくもないんだけど。
 難しいところ。
 まぁ、ただ、よくわかったのは、歴史はともかく、旅情ミステリはあまりにもごにょごにょなので、今後敬遠しようといったところかな。

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3831ページ
ナイス数:18ナイス
http://bookmeter.com/u/682213/matome?invite_id=682213

■首の姫と首なし騎士  裏切りの婚約者 (角川ビーンズ文庫)
 ナンバリングはないけれど続き物なので1巻から推奨。  姫の婚姻話に入り、物語が流れっぱなしでつづきつづく。  内容を把握しているうちに続きが読みたい感じ。  閉鎖され、監視され身動きができない姫を主人公にしているので、本の内容そのものは、ほっとんど動かない。  しかし、姫(王家の者)以外は、目まぐるしく動き回っているわけで。  動けない主人公を描写するだけで、描写されないその他大勢の動きを把握して描くスタイルが凄い。  その限られた行動の中で、最大限に情報を集めたい側と、情報を伏せたい側との知略戦。
読了日:2月1日 著者:睦月けい
http://bookmeter.com/cmt/62076527

■樫乃木美大の奇妙な住人  長原あざみ、最初の事件 (角川文庫)
 軽い日常の謎系ミステリとしてタイトルから想像される期待を過不足なく満たす感じの作品。  や。最初の事件という割に短編連作で複数の事件が収録されているのは変か。  これ系が好きなら即はまれはするけれど、これ系が好きなら「謎」は提示された瞬間に予測できちゃうかな。  でも、探偵役が上から目線で語る系ではないので、「謎」→「解決」→「ほっこり」という流れが、ちょうどいい気もする。  美大のサークルというちょこっと変わった舞台で語られる、美大の謎。  なんとなく「ぼっち」属性の集まった、ぼっちじゃないサークル。
読了日:2月2日 著者:柳瀬みちる
http://bookmeter.com/cmt/62076789

■樫乃木美大の奇妙な住人  白の名画は家出する (角川文庫)
 美大系日常ミステリ。ナンバリングはないけれどシリーズ2冊目。  特別引っ張っているネタも少ないので、この本から読み始めも可。  前作より、より美大らしさに踏み込んだ展開は○。  前作同様、謎そのものは、ミステリマニアにはすぐ見抜けちゃう感じだけれど、「美大らしさ」の部分に「!」を挟む構図はいい感じ。  ぼっち集団という矛盾するコンセプトゆえ、立ち位置がはっきりしない感じを受けなくもないけれど、シリーズを通して、絆を深めていく序盤の空気としたら、今後の展開も楽しみ。  高校舞台とはちょっと違った学校もの。
読了日:2月8日 著者:柳瀬みちる
http://bookmeter.com/cmt/62226559

■少年×忍者―恋はトライアングル (コバルト文庫)
 ナンバリングがないので、誤って2巻から先に読んでしまったので、ビギニングみたいな感じに読めた。  ヘッポコ上忍美少年が、謎のストーカーに色々狙われ、超絶美形大学生と出会い、弟ラブのお兄ちゃんと云々なBL作品ではあるがかなりライト。  や。先に2巻を読んでいるので、2巻に比べると濃い描写はあるけどね。  膝に乗って耳を咬む程度。  真言とか蜂子皇子とか濃い設定も。  星(巻物?)など、いろいろ凝った設定が興味を引くんだけど、活かし切れていない印象。  これらがぴたっとはまる話だったら傑作だったかも。
読了日:2月13日 著者:岡野麻里安
http://bookmeter.com/cmt/62359859

■聴き屋の芸術学部祭 (創元推理文庫)
 芸術系の大学を舞台にしたミステリ短編。  「樫乃木美大の奇妙な住人」を読了して似た設定の本ということで紹介されていたこちらも手に取る。  究極の聞き上手な主人公が、その特技を発揮して『聴き屋』を始める。  どんなことでも、ただ聞いてあげるだけの『聴き屋』。  ミステリなので、この特技を生かし情報を集め、謎を解く。  探偵役も兼ね、推理まで開陳してしまう。  折角の『聴き屋』なので彼は情報を集めるだけでも面白かった気もする。  一番気になるのは『先輩』。  スピンオフが読みたい。
読了日:2月17日 著者:市井豊
http://bookmeter.com/cmt/62411980

■天草四郎幽霊事件 (講談社X文庫―ティーンズハート)
 ライトミステリ収集でシリーズを何冊か積んでいたが、読むのは初めての「幽霊事件」シリーズ。  天草旅行に向かう車内で読了。  シリーズものは1から読みたい性質ではあるが、そんな理由でこのタイトルから手に取ったわけだけど、特別前巻までの内容を頭に入れないとわからない描写もなく、大丈夫だった。  まぁ登場人物など、前作や次回作へと流れる設定もなくもなかったが。  天草事件といいつつ、東京から京都へ向かい事件のほとんどは京都。  割とあからさまな展開の末、天草もカギを握る。  幽霊の話ではない。  殺人事件。
読了日:2月18日 著者:風見潤
http://bookmeter.com/cmt/62552779

■放課後スプリング・トレイン (創元推理文庫)
 九州に旅行に行くにあたって、九州が舞台の小説を読もうと電車内で読み始めホテルで読了。  九州の高校生女子に社会人に彼氏ができた。  その娘の親友枠の娘が主人公で、彼氏の友人が探偵役の日常の謎系。  道徳の教科書に登場するような模範的な高校生がOKかNGで評価は分かれる気がしなくもないが、わたしは考える高校生は大好きだ。  事件のない所でも、思考を重ね、推理合戦を始めてしまう関係に好感。  たまたま旅先に「香椎」があり、喜んじゃった。  「Q大」は「九大」か。  土地を実際に歩いて解けたオマケな気分。
読了日:2月18日 著者:吉野泉
http://bookmeter.com/cmt/62553002

■熊本城秘愛殺人事件 (広済堂文庫)
 旅行先で、その土地が舞台の本を読むと素敵かも。  そんな発想から熊本旅行に持って行った一冊。  シリーズものは1から読みたい性質ではあるが、そんな動機故この本から。  特別シリーズの流れを引っ張る要素もなく、平気だった。   熊本の友人に助けを求められた鎌倉の占い師が、友人のお使いをするうちに次々と人が死んでいく旅情ミステリ。   ファミコンのミステリアドベンチャーの楊に、聞き込みでフラグを立てると次にやるべきことがわかったり、事件が進展したり。  展開の強引さまで含めてそんな感じ。
読了日:2月19日 著者:斎藤栄
http://bookmeter.com/cmt/62562663

■ディエゴの巨神 (電撃文庫)
 ライトノベル界において、シリーズ途中に別のタイトルが始まると、完結していなくても前作が打ち切りになるケースが多いけれど、流石に「はたらく魔王さま」は大丈夫かな…とドキドキして手に取った一冊。  作者買いしたはいいけれど、微妙に厚くて躊躇っていたら、次々に新シリーズを書き上げ、追いつかなくなる前に慌てて読了。  史実をファンタジーに置き換えた、航海開拓もの。  この作者なら、ファンタジーに逃げなくても面白いものが書けた気がするので、そんな意味でちょっと残念。
読了日:2月20日 著者:和ヶ原聡司
http://bookmeter.com/cmt/62563339

■勇者のセガレ (電撃文庫)
 この著者、凄いペースで新作が出ているので慌てて読んだ感じ。  勇者がおっさん。  異界モノ勇者モノを茶化したギャグマンガのような設定をベースに、シリアスな展開を敷き、ギャップを面白さに変えた印象。  庶民派ファンタジーの文句に「はたらく魔王さま」の実績から過度の期待を抱いてしまったが、「魔王さま」ほど庶民派ではない。  もっももっと、日常視点を増やせば、庶民派勢も納得できたかなと。  流れから展開が予想でき、回収され損ねた伏線にがっかりする感じな印象。  もっと予想つかないぐらい裏切ってほしい。
読了日:2月22日 著者:和ヶ原聡司
http://bookmeter.com/cmt/62563771

■闇の天草四郎 (徳間文庫)
 旅行先で読む本は、その土地が舞台な方が素敵かなと思い立ち、天草旅行に持って行った一冊。  島原の乱あたりに絞った内容で、四郎の生涯モノではない。  「闇の」なんてついている割に、四郎はほとんど出てこない。  戦を様々な視点から描写していく。  小説なんだし「闇の」なんて付けるぐらいなんだし、多少盛っても、四郎が活躍するヒーローな立ち位置でもよかった気がする。  こんなタイトルの本だし天草四郎の活躍が読みたくて買う人が多いと思うのにね。  居るだけ統領。  強いて言うなら、敵が一番活躍する稀有な歴史小説。
読了日:2月23日 著者:中津文彦
http://bookmeter.com/cmt/62562903

■滅びゆく世界を救うために必要な俺以外の主人公の数を求めよ (角川スニーカー文庫)
 タイトルの雰囲気から、データを解析して理詰めで展開するクレバーな作品と期待してしまった。  読み始めたら、真逆で基本考えなしなご都合系な印象。  突っ込み所も多く、読んでいてイライラする。  やりたいことは分からなくもないけれど、底が浅すぎて。  …  現代日本とファンタジー異界を行き来できる25歳男子が主人公。  特別な能力を持たない彼が、異界で仲良くなった日本の記憶を持ったまま異界へ転生した女性と知り合い、脅威に遭遇し旅に出る。  そして、思いっきり次巻へ続いている。  …  スカスカご都合な印象。
読了日:2月24日 著者:みかみてれん
http://bookmeter.com/cmt/62580782

■迷宮料理人ナギの冒険 ~地下30階から生還するためのレシピ~ (電撃文庫)
 新作に飛びついて読むつもりもなかったんだけど、「村人A」巻末のお試し版の試みそのものが印象的だったので手に取ってみた。  最近異世界の料理ものが流行っているみたいなのでうちでも一つお願いしますと、依頼されたベテランがサラッと仕上げたかの印象。  限りなく無難。  人気が出たら続けられるし、ここで完結といっても格好はついているし。  …  冒険者志望の食堂の息子が、ダンジョンに屋台とともに落ち、冒険料理人の能力と屋台+精霊の力の料理で冒険していく。  食事でサポートとかMMOなどでよくあるし、安定。
読了日:2月27日 著者:ゆうきりん
http://bookmeter.com/cmt/62654014


▼読書メーター
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 旅先読書のコツは、続き物を続きでもっていかないこと。
 例えば、前後編の本なんか持って行っちゃって、前編の最後の章で目的地に着いちゃった場合。
 次の電車で最終章を読んで車内でゴソゴソ本をしまって後編を取り出して…ってやらなきゃいけない。
 最終章で目的地に着いちゃった本は、もうしまっちゃって、別の本を最初から読む。
 最終章の本は、宿で読むか、いっそ自宅に送っちゃって、旅から帰ってから読む。
 旅本を優先して読んでいるはずなのに、ライトノベル数冊挟んで「闇の天草四郎」が入っているのは、そんな理由。
 ラストシーン直前で、頃合いよくなったので、自宅に送っちゃったんだよね。

 まぁ荷物になるから、本そのものも現地調達するって手もあるんだけどね。
 その土地の英雄の歴史小説とか入手しやすいし。
 …ただ、積読本消化も目的の一部だし、本屋を探すのも意外と大変なのでやっぱり沢山持っていくことになるのよね。

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